第2話 朝食
目的もなくスマホをスクロールしていたボクは、
SNSは一巡してしまったし、誰からもメッセージはなく、
この小さい板の中でやることを失ってしまった。
日常をほんの少し脅かされてしまったボクは、
とりあえず、洗顔と歯磨きを済ませ、いつもの目玉焼きをつくることにした。
しかし、冷蔵庫に手をかけてはっとした。
昨日の朝食の目玉焼きで卵を使い果たしていたのだ。
ボクは、毎週火曜日の帰宅途中にスーパーで買い物をすると決めている。
その火曜日が昨日だったのに、飲み会のせいですっぽかしてしまった。
悔しいと思った。やっぱり行くんじゃなかった。
ただ、付き合いで、行かないとまずいかと思った。研究室は狭い人間関係だからこういうのは、ちゃんとしとかないといけない。
いや、、、ボクには、他に行く理由があったように思う。
ボクは、本当の理由に薄々感づきながらも、それを認めるのが恥ずかしい気がしていたので、自分の心の中でさえも、しっかりと言葉にせずに留めていた。
目玉焼きが食べられないと分かって、気が抜けた。
徒歩五分でコンビニがあって買いに行けるが、それには服を着ないといけないし、値段も張るし、でも目玉焼きは食べたいし――とああだこうだしているうちに、めんどくさくなってとりあえず、居間に座ってテレビをつけた。
久しぶりに見る朝の情報番組だった。いつもはもっと早い時間のを見ているから新鮮な気がした。
主婦の衝撃体験コーナーが始まった―――
しょうもない日 蒼知 @navy-knowledge
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