第3話「入学式と魔術師 III」
あれから時間が経ち、放課後になった。
俺は
そして今。 下駄箱に靴を入れようとしたらそこには紙が一枚置いてあった。
一瞬ラブレターか何かかと期待したが、その期待は一瞬で負の感情に変わった。
その紙は羊皮紙。 魔術師が決闘で使う時の言わば果たし状等の物を使う時に羊皮紙を使う。
そして羊皮紙には雑に一言。
『屋上に来い』
差出人の名前は書いてはなかったが、この学校で確認出来ている魔術師はただ一人。 もうあいつしか思い浮かばない。 というか絶対あいつだろ。
俺は少し悩んだが、ため息をつき、屋上に向かった。
俺は屋上に着いた。 着いたのだが……
「何してんだお前」
そこには
ぐったりと屋上で寝転がっていた。
「あぁやっと来たのねぇ。 遅いから日向ぼっこしてたわぁ」
果たし状出しといてえらく余裕だなこいつ。
「それで? 俺呼び出して何だよ」
呼び出した理由なんてものは分かってはいるが、一応質問した。 質問をしたら火奈が「よっと」と、言い起き上がった。
「じゃあ単刀直入に聞くけど。 あなた魔術師でしょ?」
「は? 魔術師? 何言ってんだお前。 なんて適当に誤魔化した所で無駄なんだろうな。 そうさ。 俺は魔術師だ」
「そう、やっぱりあなた私の赤眼にも気付いてたみたいだしね」
「あぁ。 お前のその赤眼には気付いたさ。 それで俺に何の用だ?」
「魔術師が羊皮紙で送るとなれば、分かるでしょ?」
「俺は魔術師同士で殺り合う気は無い。 そっちが俺に殺意ムンムンの場合は俺も抵抗はするが」
「あなたみたいな魔術師。 怪しくて仕方ないもの。 私ね、一度決めたことはしないと気が済まないの。 そして私が決めた答えは一つ……」
俺は静かに腕と足に魔力を流し込み、反撃の準備をした。
「あなたを排除すると、私の中で決定したわ!」
火奈は赤眼を解放し、恐らく水と火属性の混合魔術の弾を俺に飛ばしてきた。
俺は魔力を解放して、強化した足のおかげで回避は余裕で出来た。
「一撃で仕留めてあげるから避けるな! 楽に死にたいでしょ?!」
「まず俺は死にたく無いからその要望には答えれないね!」
俺は校舎に逃げ込もうと扉を開き、校舎の中に逃げ込んだ。
俺は少しでも足止めになればと思い、扉に魔力を流し込み、歪ませて、簡単に開けれないようにした。
「これで少しは時間が稼げる。 今のうちに人払いの魔術を発動させないと」
魔法陣は無い。 だが魔術の詠唱だけでも魔法陣よりかは強くはないが、人払いは出来る。
「無を司る精霊よ。 我の願いを聞き入れたまえ。 箱庭に集う者達を、箱庭の外に移し出せ!」
詠唱が終わると右手の甲が白く発光し、その光が弾けた。
「これで人払いは済んだが。 問題はあいつだ。 どうするかなぁ」
俺は高校生活初日から『平和』と言う概念から少し、離れたような気がした。
後書き
ちょっとリアルが忙しくて今回投稿遅れて本当に申し訳ありませんでしたぁぁぁああ!!!
元魔術師殺しの俺は平凡な高校生活を送りたい はっぱ先輩 @SAKANA-0728
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