第2話 世界再編的な?



 ふと夢だったと起きて見ると兵舎のテーブルの上でうたた寝していた。気が付くと20分ぐらい寝ていたようで近くには神原はいない。すぐ横には別の人物がじっーと見ていた。




「何考えていたのですか またエッチな夢でも見ていたなかな」




それは同じパイロットの奈々絵だった。しかめっ面でにらむと笑い返した。




「ははっっ、篠崎さんよだれ よ・だ・れ!」




「馬鹿、早く云えよ」 と手でふき取った。








撃墜されてなどいなかった。ふーーと深い息を吐くともう一人食堂に入って来る人がいた。






「篠崎ー、川野ーー。あれ聞いていなかったのかよ。非常呼集だ非常呼集。C,Dグループは第二ブリーフィングルームに集合だ」




彼は神原の友人だった佐々木 隆一二尉。神原一尉は先の薩摩半島沖紛争でこの部隊では初の戦死者つまりAIKとなっているのだ。










 (第二ブリーフィングルーム)




南西諸島は守りは固い。すでに米軍は新型航空母艦と嘉手納に展開されたF-35とF-37ステルス戦闘機によって守られてているが九州は甘いと東アジア連邦から思われたのか艦隊がゆっくりと進行中のようだ。




「……であるから強固な日米関係によりより手薄と思われる『九州強襲』を東アジア連邦は画策しているものと推測される。規模はミサイル駆逐艦3、強襲揚陸艦 それに情報収集艦 補給艦を要する部隊だ。それに航空戦力を必ず展開させてくる筈。我々航空自衛軍、第504飛行隊と202飛行隊を持って迎撃するいいな」




榊1佐 彼は先の紛争においても活躍した第504飛行隊の隊長でF-15 SDI/Dのパイロットでもある。




「榊1佐ー質問が! 敵はかなりの航空戦力を投入してくるはずです。我々だけで対処するのでしょうか?」




「井上君 いい質問だ。もちろん我々だけではない。米軍も相当数の空軍機と海兵隊を投入することがすでに約束されている。心配はいらないと上は言っていた。」




上とは鈴木司令補のことでアメリカ空軍の支援の話は前から言われていたことであったが約束通り部隊を展開するのはみな 棚から牡丹餅 的な感覚でいた。それは先の紛争において米軍はほぼノータッチともいえるほど戦力を投入してこなかったからである。




航空自衛隊時代の自衛隊は総力を持って一度は東アジア連邦を歯の返したが今回は違っていた。後方にはさになる艦隊と上陸部隊を伴った大戦力を展開しようとしていた。


折から自衛隊ばかりか米軍が動くのではないかと思われていたのだがそれは現実とならず自衛軍が発足される原動力ともなった。その【薩摩半島沖紛争】から11年目を迎えていた。






【薩摩半島沖紛争】それは今回の武力衝突に繋がるもので2024年6月13日に起こった日本史に残る事件だった。前日12日11時54分、一機の偵察機が薩摩半島沖を通過。続いて太平洋沖に演習名目であった東アジア連邦の艦船と輸送機から日付をまたいで翌13日深夜2時56分種子島へと複数の部隊の上陸と兵力降下を確認、規模は3個中隊。それは一部軽戦車等を率いた機甲部隊と大半は降下兵であった。


同日3時50分には緊急のNSC会議が開かれ、緊迫した事態に内閣の旋回一致を持って承認を得て初の《防衛出動》が4時25分に発動された。




JTF ジョイントタスクフォース 所謂、統合作戦部隊が編成され防衛省はまず近場にいた「水陸機動団」の偵察部隊に出動が下令した。JTFの規模は三個空挺中隊に一個特殊作戦群中隊。そして、水陸機動団が二個連隊が対処に当たる事となった。



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スカイ ~肥沃な空に~ ハイド博士 @mazuki64

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