スカイ ~肥沃な空に~

ハイド博士

第1話 大空に



 広いそらには雲が浮かび ただ ただ 【平穏な日々】 が続くのかと思われた。


気が付くとキャノピーは傷を負いひび割れて、曇りしずくが顔に当たっていた。デジタル高度計は36000ftを超えていた。篠崎の駆るF-15SDIは警報音を放ちエンジンからは煙を吐きながら飛行している。もう何時エンジンが停止してもおかしくない状況にある。すると突然ヘッドホンに聞きなれた声がした。


「こちら神原機、支援AIが搭載されていなかったら、やばかったぞ。聞いているのか篠崎2尉、篠崎ぃぃぃ!」


「大丈夫、大したケガはないみたいです。篠崎ベールアウトを宣言する」





同じ僚機であっても試験的に支援AIを搭載していた篠崎の機体はフルフラットディスプレイと最新のアビオニクスを搭載している最新鋭バージョンでほかの改修済みF-15とも一線を画していた。






 2035年、自衛隊は大きな変革の時を迎えている。憲法9条は改訂され「自衛隊は自衛軍」となり憲法上も合憲の組織へと変化していた。航空自衛隊は【航空自衛軍】として再編され米国と日本の関係も新たな時代に突入している。


違憲とも言われいてた自衛隊は存在せず強固な日米同盟が構築されつつあるのだ。




 2023年3月21日、突如として【東アジア連邦】が発足され自衛隊の重要性は増し、同年10月3日、国会において国民選挙が実施される運びとなり11月12日に国民選挙が実施、翌年2月10日には参議院特別委員会に置いて自衛隊法と憲法九条の追加文面で




『陸海空 自衛隊の保有を認め自衛的戦力の保持する。また、陸海空自衛隊は国際法に法り国連憲章と国連安全保障理事会の決議にのみ自衛的戦闘を認めるものとする。』




との憲法改定が行われた。




この画期的な法案はその後2024年6月に起こった 【薩摩半島沖紛争】 に置いて更なる憲法改編と自衛力強化を誘発し自衛隊法と憲法上において2025年3月末、




陸上自衛隊・航空自衛隊・海上自衛隊は 『陸上自衛軍・航空自衛軍・海上自衛軍』へと正式に昇格し、アジアの安定のためにさらなる強化が図られたのだった。








 我ら航空自衛軍は、2025年時点ではF-15J/DJ/SDI戦闘機を215機、F-35 Aを45機、F-35 Bを24機、F-2A/Bを92機保有していた。そして、通称エーワックス 早期警戒管制機E-767が4機、早期警戒機ホークアイE-2C/Dアドバンスドホークアイが計20機が配備されていた。輸送機では退役中のc-1輸送機が8機、c-2輸送機が17機、c/kc-130が7機、回転翼機は退役中のUH-1が87機、新多用途ヘリUH-2が18機、多用途ヘリUH-60/JⅡが45機という体制であった。かねてより開発が急がれていた第六世代機【F-3戦闘機】が2026年3月にロールアウトとなり『26式』とも言われており性能は西側・東側諸国でちらであっても【世界最高水準】のステルス戦闘機であり日本待望の純国産ステルス戦闘機となっている。




そして、現在 2035年、減退中のF-15Jに代わりF-15SDIとF-3ステルス戦闘機が増加中でありF-15J/DJ/SDI B/C/D/Gが合わせて219機となり、F-3は56機が生産されていた。






まだ、戦いの兆候は2035年5月時点まではなく、それは突然起こった。




五島列島沖にイージス駆逐艦3隻と強襲揚陸艦1隻それに情報収集艦を共だった東アジア連邦の艦隊が接近しつつあった。それに伴い航空戦力も投入してきたのだった。航空自衛軍の春日基地にあるラプコンが敵編隊を捉えていた。




「J/FPS-3レーダーがアンノウンを補足。数は26 方位から見て東アジア連邦だと思われます。」




これが嵐の始まりだった。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る