第6話 オアシスの中へ

 オアシスについた二人は水を浴びたり、飲んだりする。


 休憩している間暇なので、エルザになんであんな王様に封印されていたのかを聞いた。


「私は父と軍と一緒にあの帝都を攻めたのだが、血で血を争う中傷つく仲間に目を向けた父が降伏すると言って戦いを終わらせようとした。


 しかし、それを見た敵国の王は下卑た笑みをしながら我らを封印しようとした。


 私は父や忠誠を誓っていた軍を助けようと父と母の血をより濃く継ぐ我が封印を止めようとしたが自分の引き際を誤り、封印されてしまったのだ」


 親とずっと離され、封印されていたこと知った俺はエリザを抱き寄せる。


「辛かったな。苦しかったな。寂しかったな。もう大丈夫だ。お前を親の元に帰す!絶対にだ!」


「バカやめろ!ひっつくな!、涙を流すな!なんで、お前が……、あ……お前のせいだからな!バカ!」


 涙を流しながら起こる姿を見て、守りたいと単純だがそう思った。


 次の日の朝、エリザに俺は聞いた。

 

「エリザ、冒険の途中で言ってたお前の故郷。魔界はどこにあるんだ?」


「え?ここ」


「うん?」


「だから、このオアシスが魔界に繋がっていると言った」


「なんだって!?え!?」


 説明するには魔界に続く扉はここ、オアシスにあり魔族のもつ魔力を注ぐと扉は開くという。


「ここから先からは私だけでいける。人間のお前がいては殺されてしまうぞ?って何をしている!」


「俺は冒険の中でお前に助けられた。エルザを守りたいと思った。お前の家族にも会ってみたい。だから一緒に行かせてくれ」


「なんか、嘘の臭いがするぞ?何を隠している?」


「別に、何もないぞ?」


「ふん、まぁいい。いずれ聞いてやろう」


 エルザと一緒にいたい。


 この感情は何なのか、それはこの扉の向こうで本人にも聞いてみようと思う。


 そして、その答えはエルザにきっとだしてもらえると思うから。






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とりあえず王様殺してみた 歩く屍 @fb25hii

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