この小説は「かなり高度」な「戦争学」に基づいて書かれている「本格的」な戦記小説になります。もちろん「魔法」はなしの「ガチ」の戦記です。ただ、こういう小説って「一般的」には「人」を選んじゃうんですよね。
そこで、作者さまの3つの工夫が光ります。
①文体を柔らかくして、読みやすくしている。
②時々図解を入れる事によって理解しやすいようにしている。
③とにかく丁寧に説明している
このおかげで、予備知識なくても「かなりの人」が読みやすく感じる作品になっています。ただ「唯一」の欠点があるとすれば「話数」が長いので、一気読みは苦しいという事です。結構、頭使うし、読んでて頭が結構つかれるんですよ。
なので、この物語を読むときは「数日」にわけて読む時間をとってください。ちなみに私は「5日」くらいかかったと思います。読破するのに。。。
転生や魔法をナシで、どこまでリアルを描けるか。
作者さまがめざす「航跡」の筋道が世界をうむ。
数の削りあいになる戦場で粒でしかない兵達は
それぞれの信念と家族や恋人との想いを胸に、国を背負い戦いの地平に挑み続ける。
彼らを鼓舞する上官たちの人間味あふれた魅力と高い能力は、兵を束ね軍を動かし国家を護り抜く。
大軍と大軍のぶつかりあい、個の個性。
両方に照準を一気に絞れる作者さまの目線・思考のピントにブレはなく
鮮やかな視界を読む方々にあたえ続けています。
戦場の余韻、目の奥に残る砂塵のむこうに、砲弾放たれた名残の火薬を嗅げるような臨場感
「咆哮する狼」を旗印に掲げる強靭な名将が、まろやかな女性の指先であしらわれた瞬間には
胸にきゅるん♡とトキメキまでもらえます。
国家に、戦場に、街に、そして人に胸が熱くなる1ページ1ページ
彼らの航跡を追いかけてみませんか?
緻密な設定と構成で展開されていく超本格的軍事戦記物です。
作者様の豊富な知識が合間合間に見ることができます。
軍事物といっても、小説本文に堅苦しさは一切感じません。
むしろライトな印象でサクサクと読み進めることができます。
そのさじ加減が本作の魅力ではないでしょうか。
この作品、刺さるに人にはぶっ刺さる内容だと思いますw
キャッチコピーに歴史シミュレーションとありますが、コーエーの「信長の野望」というゲームがありますが、そういったゲームの弱い国が段々強くなっていく過程を小説で体感できるのではないでしょうか。
寝る間をおしんで読んでしまいました。
これからも楽しみに拝読させていただきます。