【12-2】草原の御曹司 2
【第12章 登場人物】
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894256758/episodes/16816700429613956558
【世界地図】航跡の舞台※第12章 修正
https://kakuyomu.jp/users/FuminoriAkiyama/news/16817330648632991690
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ブレギア国宰相・キアン=ラヴァーダは、
アーマフ=バンブライ
クェルグ=ブイク
ベリック=ナトフランタル
エヘ=ボルハン
ソルボル=ブルカン
等々、歴戦の勇将とともに首都を離れ、同国西端の城塞都市・アリアクにいる。
それら一騎当千の将軍たちは、歩兵5万、騎兵(騎翔隊)2万といった精鋭を率いていた。
帝国軍のヴァナヘイム領侵攻に伴い、ヴァ国との国境周辺における敵味方豪族たちに
【7-8】親書 下
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894256758/episodes/16816927862359785569
何より、ヴァナヘイム・ブレギア同盟成立以降は、この地よりヴァ国各所へ騎翔隊を同時多数派遣し、帝国軍の
ラヴァーダは主力決戦を行わずして、帝国の大軍を機能不全に陥らせてしまった。
このブレギアの歩く不敗神話の存在が、ヴァナヘイム国首都・国政の間にて喪失感に
国主・フォラの遺児・レオンは、二十歳になるかならないかの若年である。
だが、彼を2代目国主として
「宰相をアリアク城塞から呼び寄せるわけにはいかんッ」
臣下たちが将来への希望的観測――しごくまっとうなものであるが――を始めるや、国主義弟・ウテカ=ホーンスキンが甲高い声をもって、それを中断させた。
隣国ヴァナヘイムへの帝国軍侵攻により、国境周辺の治安は大いに乱れている。こんな時に、安易に宰相を呼び戻してはならない、と。
「では、せめてレオン様は……」
「亡き国主に代わり、玉座に坐っていただかないと」
武官兄弟・エレモン=ミレシアン、デイヴィッド=ミレシアンは、主のいなくなった中央の無骨な椅子を眺めた。
「レオン殿は、糧抹の補給のため、アリアク城塞に向けて過日出立しておるわ」
いまごろ、城塞に到着している頃だろうと国主義弟は続けた。
「そ、それでは……」
「しばらくは、このワシと一族衆で国政を預かる」
そう言いながら、ウテカは立ち上がった。先刻まで悲涙にひたされていた大きな両目は、脂っぽい光をたたえている。
啞然とする臣下たちの前を、国王義弟の小柄な体が大股で進んでいく。
広間奥中央で段上に駆け上がる。そして、玉座の前まで来ると、そこにどかりと腰を下ろしたのである。
ブラン=ホーンスキン・スコローン=ホーンスキン等一族衆がかしずくようにして、彼の周囲に集って行った。
【作者からのお願い】
この先も「航跡」は続いていきます。
国主が亡くなった途端にこれでは……と、ブレギアの前途に不安を覚えられた方、ぜひこちらからフォロー🔖や⭐️評価をお願いいたします
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ラヴァーダたちの乗った船の推進力となりますので、何卒、よろしくお願い申し上げます🚢
【予 告】
次回、「草原の御曹司 3」お楽しみに。
「なに、こんな時刻に輸送部隊とな」
9月6日23時、この日アリアク城塞の夜番を務めていたバンブライは、
「今宵、首都から到着するような部隊はないですなぁ……」
来城者情報の記された帳簿を繰りながら、ドネガルは首を
そうこうしているうちに、別の従卒が飛び込んでくる。当該輜重隊は、城塞側の許可を得ずして東門から入城したという。
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