【12-2】草原の御曹司 2

【第12章 登場人物】

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【世界地図】航跡の舞台※第12章 修正

https://kakuyomu.jp/users/FuminoriAkiyama/news/16817330648632991690

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 ブレギア国宰相・キアン=ラヴァーダは、


アーマフ=バンブライ

クェルグ=ブイク

ベリック=ナトフランタル

エヘ=ボルハン

ソルボル=ブルカン


等々、歴戦の勇将とともに首都を離れ、同国西端の城塞都市・アリアクにいる。


 それら一騎当千の将軍たちは、歩兵5万、騎兵(騎翔隊)2万といった精鋭を率いていた。


 帝国軍のヴァナヘイム領侵攻に伴い、ヴァ国との国境周辺における敵味方豪族たちににらみみを利かせるためと、不測の事態に即応するためである。


【7-8】親書 下

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 何より、ヴァナヘイム・ブレギア同盟成立以降は、この地よりヴァ国各所へ騎翔隊を同時多数派遣し、帝国軍の輜重しちょう隊を攪乱かくらんし続けている。


 ラヴァーダは主力決戦を行わずして、帝国の大軍を機能不全に陥らせてしまった。


 このブレギアのの存在が、ヴァナヘイム国首都・国政の間にて喪失感にあえいでいた臣下たちに、安堵という名の救いの場を生みだしていた。



 国主・フォラの遺児・レオンは、二十歳になるかならないかの若年である。


 だが、彼を2代目国主として擁立ようりつし、宰相・ラヴァーダがり立てていけば、この国は安泰ではないか。それに――。


「宰相をアリアク城塞から呼び寄せるわけにはいかんッ」


 臣下たちが将来への希望的観測――しごくまっとうなものであるが――を始めるや、国主義弟・ウテカ=ホーンスキンが甲高い声をもって、それを中断させた。


 隣国ヴァナヘイムへの帝国軍侵攻により、国境周辺の治安は大いに乱れている。こんな時に、安易に宰相を呼び戻してはならない、と。


「では、せめてレオン様は……」


「亡き国主に代わり、玉座に坐っていただかないと」


 武官兄弟・エレモン=ミレシアン、デイヴィッド=ミレシアンは、主のいなくなった中央の無骨な椅子を眺めた。


「レオン殿は、糧抹の補給のため、アリアク城塞に向けて過日出立しておるわ」

 いまごろ、城塞に到着している頃だろうと国主義弟は続けた。


「そ、それでは……」


「しばらくは、このワシと一族衆で国政を預かる」

 そう言いながら、ウテカは立ち上がった。先刻まで悲涙にひたされていた大きな両目は、脂っぽい光をたたえている。


 啞然とする臣下たちの前を、国王義弟の小柄な体が大股で進んでいく。


 広間奥中央で段上に駆け上がる。そして、玉座の前まで来ると、そこにどかりと腰を下ろしたのである。


 ブラン=ホーンスキン・スコローン=ホーンスキン等一族衆がかしずくようにして、彼の周囲に集って行った。






【作者からのお願い】

この先も「航跡」は続いていきます。


国主が亡くなった途端にこれでは……と、ブレギアの前途に不安を覚えられた方、ぜひこちらからフォロー🔖や⭐️評価をお願いいたします

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ラヴァーダたちの乗った船の推進力となりますので、何卒、よろしくお願い申し上げます🚢



【予 告】

次回、「草原の御曹司 3」お楽しみに。


「なに、こんな時刻に輸送部隊とな」


9月6日23時、この日アリアク城塞の夜番を務めていたバンブライは、輜重しちょう隊到来の報を突如受けたのだった。


「今宵、首都から到着するような部隊はないですなぁ……」

来城者情報の記された帳簿を繰りながら、ドネガルは首をひねった。 


そうこうしているうちに、別の従卒が飛び込んでくる。当該輜重隊は、城塞側の許可を得ずして東門から入城したという。

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