第16話 私の手を掴んでくれた人
私は世界から認識されていない存在でした。
生まれた時からそう。
お母様とお父様は私を【見て】、【愛して】くれませんでした。
【慈しんで】もらえませんでした。
物心がついた時からか、いつも家には誰もいませんでした。
親の顔を見たことも両手で収まるかもしれません。
そんな親の愛を受けたことのない私。
……欠けている私。
小学校に入学しました。
私は誰からも認識してもらえませんでした。
当然かもしれません。
人との付き合い方を、人の好きになり方を、相手を思いやる方法を。
何一つ教えてもらえなかったのですから。
ただ静かに時間が過ぎるのを待つだけです。
空気のようにいてもいなくても気づかない。
たまに、あぁ居たんだ、と。
その程度の存在です。
中学校に入学しました。
小学校から中学校に上がっても何も変わりません。
ただただ、黙って毎日を過ごすのみです。
私にできることは無関心な毎日を過ごすことだけです。
誰も私に関わらない。
私は誰にも関われない。
関わり方を知らないのですから。
みんなそれを気にしません。
路傍の石を気にする人はいないのですから。
いてもいなくても一緒なんです。
高校に入学しました。
今までと一緒です。
結局何も変わらない。
誰にも認識はされませんでした。
ある日、人にぶつかってしまいました。
見るからに不良な人にぶつかってしまって。
黙っていようと。
どうせ。すぐ無関心になると。
黙って。彼の話しを聞いていました。
「すいません、何かありました?」
えっ、?
頭が真っ白になった。
話に入ってきた彼が私と不良との間に割って入ってくれたのだ。
「アーそうですかすいませんねはいじゃあこれで」
イラつきを隠そうともしない不良の話を無理やり切り上げる。
私の手を掴んで一緒に歩いてくれる。
私の手を掴んでくれている。
私の手をとってくれた。
気が付いたら私は人通りが多い道にいた。
「もう大丈夫だと思うよ」
彼の顔から目が離せない。
自分が何を話しているかもわからない。
彼のことを知りたい。引き止めたい。
自分の胸に昂る熱をそのままぶつける。
しかし、彼はそんな私に構わずどこかへ行ってしまう。
待って。行かないで。
必死に探しました。
人生で初めて必死になりました。
絶対に見つけないと。
見つかりました。
コンビニに入っていくようです。
天然水を買っていました。
彼を後ろからつけます。
絶対見失わないように。
「きたもと」
家を特定しました。
苗字がわかりました。
必死に検索しました。
彼の、きたもとさんの情報が欲しくて。
……やった、みつけた。
同じ学校なんだぁ。
「きたもとゆうたさん……ゆーくん……ゆーくん!」
欠けていた何かが埋まったような気がした。
___
読んでいただいてありがとうございます!!
昨日はすいません!!
もう起き上がるのも辛くて!!
タイプできませんでした!!
ちーちゃんに独白させてみました!!
ちーちゃんの心の内が伝われば幸いです!!
よければご感想いただけますと嬉しいです!!
ちーちゃんとけーちゃんどっちが好きかなど伺えればと!!
私はツンデレが好きなのでけーちゃんかな←
明日は帰宅が23時30分くらいになりそうなのでどうしようか悩んでおります。
投稿できなかったらごめんなさい!!
助けた女の子がストーカーになったんですが!? ソルタン @soltan
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。助けた女の子がストーカーになったんですが!?の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます