29
「さて、どこに行ってみようかのう……そうじゃ!」
最初はブラブラと適当に歩いていたおじいさんでしたが、唐突に行き先を思いつきます。その目的地は浜辺でした。おじいさんの住んでいる村から海は結構遠く、滅多に行けるものではありません。だからこそ、海の景色を見てみたくなったのです。
幸いな事に、現在地のすぐ近くに海沿いの村がある事が分かりました。おじいさんは好奇心に任せて、ホイホイとその村に向かいます。
「おお、これは立派な海じゃのう」
浜辺に辿り着いたおじいさんは、その景色に感嘆の声を上げます。しばらく浜辺を探索していると、木の枝に羽衣がかかっているのが見えてきました。そんなものを見るのが初めてのおじいさんは、羽衣をよく見ようとすぐ近くにまで近寄ります。
「ほう、これはいいものじゃのう……」
おじいさんはまるでこの世のものとは思えない美しさの羽衣を見て、うっとりとしてしまいます。そうして、近くに持ち主がいないかとキョロキョロと周りを見回してみました。
「うむ、近くには誰もいないようじゃの……」
周辺には誰もいないと言うこのシチュエーションに、おじいさんの心の中の天使と悪魔がささやき始めます。
ほらほら、今の内にこの羽衣を頂いちゃおうぜ
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894124932/episodes/1177354054894169245
いやいやダメだよ! 羽衣は見るだけにして村の方に行ってみよう、ねっ?
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894124932/episodes/1177354054894178016
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます