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 おじいさんは一寸法師の顔をじいっと見つめます。その顔はとても真剣で、強く訴えてくるものがありました。きっと彼もおじいさんのように理不尽な理由でこの牢屋に押し込めまれたに違いありません。そう思うと、この哀れな小さい人をどうにか助けたくなってきました。


「分かった。ワシに出来ることなら何でも言うとくれ」

「助けてくれるのか! 有り難い。恩に着るぞ」

「しかしお前さんを助けると言うても、何をしたらええんじゃ?」

「何、簡単な事じゃ。ワシをあの窓のところまで運んでくれればいい」


 一寸法師はそう言うと牢屋の窓を指差します。なるほど、一寸法師の小さな体では到底届きませんが、人間のおじいさんなら余裕で届くところに窓がありました。

 この窓、当然のように鉄格子が取り付けてあって抜け出せないようにされていますが、一寸法師ならするりと抜けられそうです。


 おじいさんは一寸法師を手のひらに乗せると、そのまま窓まで持っていきます。無事に窓までついた一寸法師はおじいさんの手のひらからひょいと飛び降りました。


「見ず知らずの人よ、助かりました。いつかこの恩は返します!」

「そこからは自力で帰れるのかの?」

「大丈夫です。では!」


 一寸法師はペコリと頭を下げると、そのまま窓の外に飛び出していきました。おじいさんは何と良い事をしたのだろうと自己満足。その日は気持ち良く眠れたのでした。


 その後もおじいさんの囚人生活は続きます。ある日、看守のオニババとひょんな事から力比べをする事になってしまいました。


「ヒッヒッヒ。オニババのワシが人間よりも弱い訳ががないじゃろう」

「いや、戦いによってはそうとも言えんぞい」

「じゃあ、勝負をしてみようじゃあないか。ヒッヒッヒ」


 こう見えてもおじいさんは普通の人間で、更には老人です。バケモノでもあるオニババと戦うにはどう考えても不利でした。

 おじいさんからの挑発に、オニババはダミ声でゲタゲタと笑います。


「普通に戦ってもワシが勝ってつまらんのう。じゃから勝負方法はお前が決めい」

「その言葉に二言はないの? なら、ワシの得意なもので勝負じゃ!」


 オニババはハンデとして勝負方法をおじいさんに決めさせてくれました。おじいさんは顎に手を当てて、自分に有利なバトルは何かを考えます。熟考したところで、候補を2つにまで絞り込みました。



 ここは大食い勝負で決めるぜ!

https://kakuyomu.jp/works/1177354054894124932/episodes/1177354054894168226

 ここは变化勝負に賭ける!

https://kakuyomu.jp/works/1177354054894124932/episodes/1177354054894168671

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