第2話 ポテ男と仙人掌

猫がサボテンに夢中だ。


「トゲが痛くないのか?」


確認の為、利き手でトゲに触ってみた。


「おぉー、指にトゲが。」


思わず、同じ指にもう一度。


「おぉートゲが。」


何度も何度も、重ならないように少しずらしながら、トゲを同じ指にさす。トゲが表皮にくっつく。気づいたら、指がまるでハリネズミのようだ。


記念にスマホで写真に収める。

ここで小さなミスに気づく。


「なんで利き手にトゲを指したのだろう。」


少し反省しながら、10枚近く撮り、半分を残した。トゲが映えている写真を。そして、ポテ男にlineで送った。


「ポテ男はどんな反応をするだろうか。」


指のトゲを取りながら待つ。


ピロロロ。


『グロい』

『痛くないの?』


えっ、、、返す。


『アート』


『表皮だから大丈夫。とるとき、見えなくて不意にあたって逆に奥にささる。ミスって先っぽだけとると、短いのが残るから、とるのが大変になるのです。』


そしたら、ポテ男からこう来た


『グロアート』

『指から植物が生えてるみたい』


写真が映えているのではなく、植物が生えているの、同音異義語ですか。


少しムカついたので、なんとなく思い付いたことを返した。


『とげとげしいことばかり言っているから、指からトゲが生えてきた。という、サブタイトル。』

『タイトルは「サボテンの前世」』


すると、ポテ男は


『某有名作品に似た話がある』


っと薄い記憶を持ってきた。ココアのみたいも、その作品について厚い記憶を持っている。だから、いつの間にか、その作品について、ポテ男とココアのみたいは語り合っていた。


すると、ポテ男は急に、


『久しぶりにラーメン行こうかなー』

『もう1ヶ月以上行ってない』


と呟いた。


ココアのみたいは思った「韻の効果」だ。すなわち、「サボテン→ラーメン」。そして、これは「無意識の誘導」だと繋がりを説明した。


時間をおいてポテ男は送ってきた。


『ココアのみたいのせいでラーメンに誘導されたということか?』


彼は、ラーメンを食べたいのだ。彼はラーメンを我慢していたから、食べる理由がほしいのだ。ココアのみたいはそう思った。しかし、少しトゲのあるココアのみたいは、


『ちがう』

『ポテ男自身の無意識が誘導したのだ』


と返す。


どれくらい時間がたっただろう。

ポテ男から、返信がきていた。



『結局行きませんでした』



ココアのみたいは目が点になるぐらい驚いた。おそらく、一時間前の男なら行っていただろうから。


この結果に、ココアのみたいは味をしめた。今、あなたも味をしめたでしょう。中には、明日、利き手とは逆の指にサボテンのトゲをつけている人もいるかもしれませんね。


もちろん、ココアのみたいは、つけません。


サボテン→ラーメン→行きません→つけません。ですから。

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