同時多発占い
@kkb
第1話
易やタロットなど、複数の候補の中からひとつが選びだされるタイプの占いについてある疑問がある。
その疑問とは、
同じテーマについて、複数の異なる占者が占った場合、答えは一致するのだろうか。
これが三、四人の話なら、一致しなかった場合でも、占者のキャリアや雰囲気などで、この先生の答えが正しく、他は違っているのだろうという印象を受けるかもしれない。
一切、細工がしていない1から6の目まであるサイコロを十回振りました。それぞれの目の出る確率は6分の1。それが3が四回も出ました。3という数字にはきっと意味があるに違いない。そう思えてしまう。
しかし、振る回数が増えていった場合、どの目も同じ6分の1に近づいていく。
振る回数が100億倍の1000億回に増えて、3が四百億回も出るとは考えにくいのだ。
易やタロットも、占う回数が増えれば増えるほど、それぞれの候補の出る結果は、全体の候補分の一という値に収束していくだろう。
世界的なプロジェクトで、インターネットを使い十億人に易の奥義をレクチャーします。各自同じスケジュールで同じ技量になるようにレベル調整をします。
そして、某年某日、占いマスターに成長した十億人はひとつのテーマについて占います。
2030年度の自動車産業における、電気自動車のシェアは50パーセントを越えるか?
十億回では不安なので、ひとりにつき千回ずつ占ってもらいます。
果たして合計十兆回の占いの結果は?
同時多発占い @kkb
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