僕の第二の人生絶対幸せになってみせる!

姫河航平

第1話 あぁ走馬灯って本当にあったんだ…

赤く綺麗な色をしていた紅葉も枯れ落ち冬に入ろうとしている11月中旬、僕こと主人公である高井克海(たかいかつみ)はもう間も無く死ぬだろう。年齢は47歳彼女は現在いない。体型や顔はごくごく普通であるし、これと言った特徴はない。

さて、なぜ今自己紹介もざっくりではあるが紹介し、話が始まったばかりだと言うのにもう死ぬのかと言うと目の前残り数メートルくらいに軽トラがこっちに突っ込んできている途中だからである。ぶつかるまで時間で言うと1秒もないが僕の脳ではかなりスローモーションで感じとっている。逃れるものなら逃たいがもう直感でぶつかって死ぬんだということが分かってしまっている。まぁいわゆる走馬灯を見る時間なんだと思う。過去を振り返ると本当にロクなことがなかったと思う。だいがくを中退してからと言うものは不幸の連続である。職場では居場所もなく、中学から仲の良かった女の子の彼氏に殺されかけ、初めてできた彼女には有り金全て奪われてた挙句借金5億も残して消えてしまい、盗難やその他諸々不幸に遭う人生だった。もうここまで来ると笑ってしまうレベルだ。

(あぁ、結局幸せな家庭を築けなかったし、親にも迷惑をかけ本当にやり直せるならやり直したいもんだな…)

死ぬ間際にそんなマンガやアニメの世界じゃないのについそんなことを考えてしまったではないか。死ぬ間際に考えることでもないと思ったのだが走馬灯で幸せだったことを感じることの方が難しいのでもういっそ潔くぶつかってしまえと思った。

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