かつて勇者だった俺の復讐譚

@MOTTIYTEITOKU

序章

血と血が行き交う戦場で俺はいつも国家、

街、民衆、他の者のためにこの身を捧げてきた。

決断がなされたらいつだって俺は一人戦場で駆け回ってきた。

いつも皆俺を喝采し、武勲を立てれば報酬も貰えた。

俺はそれが嬉しかった誰かのために役に立てることがほんの少しでも期待に応えれていることに。

幼い頃から武術に秀でていて周りの人達はその力を使うのが使命だと俺に言うようになった。

勇者とまで言うものも現れ始め、その期待を背負いながら日々みなのために尽くしてきた。

いつしかそれなりの地位も貰え一般階級市民の俺が貴族と同じ地位まで上り詰めることが出来た。

努力が認められるのは嬉しかった。

誰だってそうだろう努力が認められそれ相応の報酬を貰えたのだから。

俺は順風満帆だったはずだった。

そう今思い返せばあの時なら俺はまだ踏み戻れたかもしれない。

いやあるいは俺のこうなる運命ははるか昔から決まっていたのかもしれない。

これはかつて勇者と呼ばれた俺が裏切られ、罪を被り、最愛の人までも奪われた復讐心に囚われ落ちた者の復讐譚──

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