~作中文章~
「ねえ、菅野くん。あそこのお店、ちょっと寄ってみてもいいかしら?」
いつもの口調で、次の目的地を指し示す透子さん。
この物語の凄いところは、友達以上恋人未満の距離感とは思えない距離感である意味、日常に溶け込ませる距離感で描かれているところです。
例えるなら、家の中に机があるのが当たり前。
寝具があるのが当たり前。
そんなあるのが当たり前という距離感でありながら、読者にどこか「くっついてほしい」という感情を呼び起こす作品になっています。
これは個人的な感想ですが、透子さんも菅野君もやっぱり一歩踏み出していれば、また違ったのかもしれないけれど、やはりこの距離感だからこそ、互いを一人の「人」として見れる貴重な本物の関係だなって感じました。
「結婚前に遊んでくれた友達の態度、結婚すると変わっちゃうのよねえ」という、透子の言葉がその事実を裏付けているんですよね。
この2人の距離感をぜひご覧あれ!!