結果発表

 はいというわけで偽教授神饌杯、結果発表でございます。まずは全作品寸評から参ります。ちなみに並び順は順不同、作者名は敬称略です。


一角獣/尾八原ジュージ

https://kakuyomu.jp/works/16817330649060602045


うーん?なんかサイコホラーっぽい手触りがありながらも、どこに着地するというほどどこに着地するという感じでもない落ちに「あれっ?」ってなってしまいました。


おさがり/根ヶ地部 皆人

https://kakuyomu.jp/works/16817330649074743499


語りだけで構成されたショートショート。ちょっと情報量の制約がきつくて何がどうなってるんだかよくわからない印象がありました。


祈りと、願いと。/野村ロマネス子

https://kakuyomu.jp/works/16817330649706194586


フェチズムというものをよく分かっている神様だな……。と思いました。まあ、多神教の神なら十分アリなんですが。


神在月/尾八原ジュージ

https://kakuyomu.jp/works/16817330650094903564


ジュージさん二本目。最近長編中心にホラー作品が目立つけど、こういう作品も本当にうまいよなーという印象。神様がかわいい。


明日神様になる僕の妹へ/ぎざぎざ

https://kakuyomu.jp/works/16817330649069852519


よく書けている掌編小説だと思う。ただ、この企画で求めているものがこういうものなのかというとそれはちょっと違うのでして。


母の口元へ/山野エル

https://kakuyomu.jp/works/16817330649969127706


なんか独特のセンスと、作者の方の個性みたいなものは感じた。話全体が何を表現しようとしているのかはいまいち、よく分からなかったけど。


業果/田辺すみ

https://kakuyomu.jp/works/16817330650025437178


6000字足らずで書かれているのが信じられないくらい密度の高い、凝った歴史劇。なんだけど、話が圧縮されすぎてて一回読んだだけでは全容が把握できませんでした。


神と贄 /三寿木 春

https://kakuyomu.jp/works/16817330649588939924


架空の民族の架空の習俗を描いているんだろうけど、モチーフのいくつかはアイヌから引いてますよね、これ。美しい話でした。とても。


神の盃/紫陽凛

https://kakuyomu.jp/works/16817330649505480860

うぅーむ……一読三嘆。素晴らしい作品であった。まだ全作品読んでないから確定じゃないけど、グランプリ候補。


願い捧げ申し上げます/ぎざ

https://kakuyomu.jp/works/16817330649100180188


最初すごい突拍子もない世界観だなと思ったけど意外とちゃんとミステリーとして成り立ってた。けっこう面白かったです。


火神と愚かな贄/月見 夕

https://kakuyomu.jp/works/16817330649727773367


宗教的で哲学的な小説かと思ったらバディものだった。そういえばもももの庭はそういう企画でしたっけね。


暗澹/カフェオレ

https://kakuyomu.jp/works/16817330649622237296


びっくりするほどすごい作品だったのでびっくりした。ところどころ筆致の未熟さを感じるところはあるんだけど、それを補って余りある才気を感じる。


神様ひっこし株式会社/外清内ダク

https://kakuyomu.jp/works/16817330650083116658


んー……言葉を濁すこともできるんですけど正直に書きましょう。この小説は上手すぎるくらい上手ですが、面白くないです。その理由は、クリシェではありますが、『キャラが立ってない』からです。


海鳴りのウンディーネ/染谷市太郎

https://kakuyomu.jp/works/16817330650008296865


最初設定だけ見て「これはSFでは?」と思ったんですが、とんでもなかった。現代ドラマ、というカテゴリにこんな相応しい作品に、カクヨムという場で出会うことはなかなかない、なんとも大人びた小説でした。


サクリファイス神ガールズ/立談百景

https://kakuyomu.jp/works/16817330650190290567


バイオレンスかつガロマンス。畳みかけるような文体がとても心地いい。世の中、優れた書き手が本当に多くてびっくりする。凄い作品でしたが、ただ偽教授杯でグランプリを取るのに向いた作品ではないです。どっちかというと偽物川小説大賞の方に適している。この辺の非常に微妙な両企画のニュアンスの違いは私自身にしか分からないような問題かもしれませんが、私の中では重要なもので……。



というわけで全作品寸評でした。最近、ほんと偽教授杯全体でレベルが上がってきて、嬉しいやら驚くやらですよ。


グランプリはさほど迷うことなく決まりました。こちらです。


神の盃

https://kakuyomu.jp/works/16817330649505480860


紫陽凛さん、前回の少年杯から連覇となりました。

偽教授杯、何年前からやっているのか、今回で通算何回目なのか、誰が何回グランプリを取っているのか、私自身把握できていないのですが、こうしたことは基本的に滅多に起こらないです。正直、なるべくなら避けるように取り計らうからです。でも前回今回と、圧巻のグランプリなのでこの結論しかありません。ありがとうございました。


今回は各賞を二つ出します。


暗澹

https://kakuyomu.jp/works/16817330649622237296


こちらの作品に「フレッシュ賞」を。


サクリファイス神ガールズ

https://kakuyomu.jp/works/16817330650190290567


こちらの作品に「バイオレンス賞」を。


謹呈いたします。なお、グランプリ同様名誉以外の特典はありません。


というわけで偽教授神饌杯は終了です。今やってる銃口杯もよろしく……と言いたいところだが、今日で終わりだな。まあいいか。


一つ、ここで報告しておきます。来年1月の回から、偽教授杯に統一レギュレーションを導入します。今までと変わるのは、「一人一作品」が貫徹されることと、文字数制限が必ず「999文字~9999文字」になるということです。


ではみなみなさま、よいお年を。アデュー。

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