歓迎会
勝利だギューちゃん
第1話
「長くないな・・・」
日に日に、体が衰弱していくのを、感じる。
いつから、こうなったのだろう・・・
ここ数年で、急激に体力が衰えた。
どうじに、心も病んできた。
とても、前向きにはなれない。
「身の周りの整理をしておいたほがいいかな」
ふと思う。
「まだ、早いよ」
「えっ?」
どこからか、女の子の声がした。
「だから、君があの世に行くのは、まだ先」
そこには、それなりにかわいい女の子がいた。
「それなりにとは、失礼な。これでも、美少女で通ってるんだからね」
「あっそ」
美人や、かわいいの基準は、人により違う。
主観的にも、客観的にも違う。
「ところで、君は?」
天使に尋ねる。
「その前に、自分から名乗りなさい」
「勝手に来たのはそっちだろ?それに天使なら、僕の名を知っているはずだ」
「そうでした」
天使が、恥ずかしそうに頭をかく。
でも、天使だが輪っかがない。
羽はある。
「今、輪っかがないって、思ったでしょ?」
「ああ」
「あれは、初心者。まあ君たちの世界でいう、車の若葉マークみたいなものね」
「わかりやすい例えをどうも・・・」
天使が、咳払いをする。
「私は、まなみ。君たちの世界でいう、女子大生くらいかな」
「まなみ。天使らしくないな」
「もちろん本名じゃないわ。まあ、源氏名ね」
その例えは、まずい。
「で、話を戻すけど、丈くん」
「なんですか?まなみさん」
やはり知ってな、僕の名を・・・
ちなみにファーストネームは、大野という。
「丈くんは、今50歳だよね」
「ああ。おっさんだ」
タメ口なのは、気にしないでおこう。
「君より前に来た人がね」
「ああ」
「君の歓迎会を開くのに、時間がかかっているの?」
「それで・・・」
「私が、その幹事なんだけどね・・・」
「うん。」
「盛大なのにしようと思っているから、後、30年はかかるんだ」
「だから」
「それまで、人生楽しんで。じゃ」
消えた・・・
なんなんだ?
まなみ・・・
昔の片思いだった子が、そんな名前だったが、似ている気がしたが・・・
まさかね。
歓迎会 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます