一人の同級生から告白された沙友理。同性に「好き」と言われたのだが、彼女の気持ちとすれ違いを感じた。私の「好き」と彼女の「好き」は何が違うんだろう…。沙友理は自問する。
喧嘩は主に二種類あると思います。考え方の違いによるものと、勘違い(誤解)によるものです。この作品の主人公の沙友理ちゃんは「好き」と言われた時にその「好き」を「友達としての好き」だととらえてしまいます。対する相手は「恋愛対象としての好き」なので、その間にはすれ違いが生じてしまいます。そんな繊細な描写が短編のこの作品には鮮やかに描かれています。まるで自分もその場にいるような、少しもどかしい気持ちになりました。すぐに読めますのでお読みいただけると嬉しいです。
少女の"好き"という愛の告白が伝わらないもどかしさ、沙友理の"好き"という感情を理解することが出来ずに戸惑う様子……。短編ながらも、それぞれの心情が分かりやすく丁寧に描かれていました。また、沙友理の話し方が特徴的で可愛いと感じました。後々、続編も読ませていただきたいと思います。素敵な作品をありがとうございました。
好意にも色んな度合いがある。本作はその差異がテーマになっています。登場人物の率直な発言や好きの意味がわからず困惑する様子は、少女たちの愛らしさや純朴さがにじみ出ていて、物語に引き込まれました。ぜひみなさんも読んでみてください!
みんなが普通のように使っている「好き」という言葉。それが食い違う様子をこの短編小説で表現できていてすごい!好きという言葉の違いがわからず頑張って理解しようとしているところなどが特に印象に残った。自分も好きという言葉の意味を考えさせられた。そして女の子同士のやり取りということで、同性愛の在り方というものも深く考えさせられる小説だった。
思春期の心の発達を丁寧に描いた作品。中学~高校は成長期であると共に成長の個人差の激しい年頃でもある。心の発達も人それぞれであり、恋愛観についてもそれは反映される。人の恋愛観に触れ、それを心に留めた主人公がこの先どのような展開を迎えるのか気になる作品。