第7話 愛されなかった生命

「ねえ。例えばさ。夜明けを告げる朝に夕焼けが見えたら素敵じゃない──?」


この世界は残酷だ。


いつだって。君もそう思うでしょ?

私は思うよ。今もこれからも。

君を助けるためなら私はなんでもする。

君が泣いているこの世界が嫌いなんだ。

君が笑うなら私は悪魔にでもなれるよ。

君の嫌いなもの全て取り除いてさ。

だからさ。もういいんだよ。泣かなくて。

泣かないでよ。そんな顔でさ。そんな目でさ

私を見つめないでよ。君が愛おしくてさ。

君の世界に私はいたくてさ。痛いんだ。

私の世界に君はいるんだ。痛くないよ。

誰も知らない世界に行こうよ。

夜明けを告げる朝に夕焼けが見えるようなさ。

ふたご座に座って地球を眺めれるようなさ。

そんな世界に行きたいよ。君とさ。

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それでも生きていていいですか 夜月 @Yotsuki1014

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