第5話

「改めてようこそ、ここが対バグス対策本部t区基地です。私はt区司令官西園寺1頭陸佐です。これから貴方達にはバグズと戦うための訓練を行っていただきます。今、日本のみならず世界中でバグスが発生し人類を滅ぼそうと活動しています。理由はわかりませんが、このままやられるだけではいけません。我々の目的は奴らを倒し平和な日本を取り返すことです。では、手元の資料を確認ください」

分厚い紙の束の説明が始まる。さっきの奴は眠たそうに資料を眺めていた。

要約すると、バグスには複数種類があり、飛行型、遠距離型、量産型に分類され中には女王と呼ばれるものもいるらしい。それが指令を出し何千といる虫たちを統率しているということだ。

現状の武器、人数では到底対抗できず民間人に募集をかけていたというわけだ。

「以上です。何か質問がある人はいますか?」

理想と現実のギャップに静まり返る人たちを横目に一人だけ手を上げた。

「s区から来ました。姫宮つむぎです。現状、倒せる見込みがない相手とどのように立ち回る予定なのか教えてください」

たしかに考えれば、勝ち目のない相手にどのようにして勝つか分かっていない状態では、僕たちは捨て駒も同様。役割は虫の餌にしかならないはずだ。

「それについては問題ありません。対策、実験はすでに終わっております。現状、銃では火力が足りず、到底勝ち目はありません。そのため、対バグス対策兵器の開発を行っております。プロトタイプは完成しており現在100機が作られています。そちらに搭乗していただき闘ってもらいます。そのため、

貴方達には訓練の中からより適した職種についていただきます。まずは、戦闘員と非戦闘員。戦闘員については陽動班、迫撃班、遠距離班。非戦闘員は、衛生班、補給班、支援班に分かれます。そこから先はそれぞれの班長の指示に従い作戦に参加していただきます。他に質問はありますか?」

簡潔にまとめられ、その後疑問を感じるものはいなかった。

「では、訓練を始めたいと思います。これから制服の貸与を行うので、手渡されてる紙に記入し提出してください」

学校のテストのように皆黙々と書いた。名前年齢住所、またSPIのような質問もあった。

「では提出が終わった人から、自分の名前の書いてある部屋に移動してください。本日は終了です。お疲れ様でした」

そう言い残し席を後にした。

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夢の中の怪獣 Dream maker @otajo

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