★★★ Excellent!!! 凍てついた哀しみを背負い彷徨う雪女。これは、僕と彼女と三日間の刻の行方 浅葱 ひな 三月初旬の或る日。 僕は雪女と出会った。 暦の上での季節は春でも、まだ、寒さがその身を凍えさせる頃、偶然、彼女と出逢った。 具合が悪いのでは……と心配した主人公が声をかけると、その彼女は、『春を見つけた……』と嬉しそうに答える。 あまりにも季節感のずれた様相に、訝しみながらも彼女を部屋へと招く。 そこで語られたのは、衝撃的な事実と、哀しき過去。 それを聞いた主人公の、優しき行動とは? 突き動かした衝動とは? この物語、ふたりを包みこむ情景も、ふたりが感じる優しげな想いも、そして、共にする儚げな短い時も、その表現が文学的に綴られているのが、とても素敵なのです。 永遠に近い刻を彷徨う雪人の魂が、幸せと共に解放される時を知っているのは、空から舞降る名残雪だけなのでしょう……。 レビューいいね! 1 2021年7月20日 12:06
★★★ Excellent!!! 貴方は物語を持っていますか? @Teturo 静かなのにドキドキするお話です。 登場人物も極限まで削っているのでしょうに、広い世界が広がっています。作中で主人公が、タイトルのような(→少し違いますが。)質問を受けます。仮に貴方が主人公だとして、どのような返事をするでしょうか? カクヨムに参加されている皆さんですから、答えは簡単ですよね。 ・・・すいません。私は持ってません。 レビューいいね! 1 2021年2月5日 07:08
★★★ Excellent!!! 「生きる」ということの輝き。 aoiaoi 生きること。死ぬこと。 運命。 誰かを、深くただ一心に愛すること。 愛する人と別れること。 自分の想いを追って彷徨うこと。 表現すること。自分の中から想いを引き出せない苦悩。 その苦悩こそが輝きであること。 今、目の前を愛すること。 ただ、前を見て歩くこと。 あまりにも様々な感情が押し寄せ、まともなレビューになりません。 けれど——「生きる」ということの輝きが、作者様の心からとめどなく溢れ出しているのです。 まずは、物語の扉をあけてほしい。無心でページをめくってほしい。そのまま、最後の一文字まで読んでほしい。 言葉では書き尽くせない深さの哀しみと、それと同量の強い輝きに満ち溢れた物語です。 レビューいいね! 2 2020年3月25日 13:45
★★★ Excellent!!! 悲しみが昇華するとき 瀬夏ジュン 尊い希望を手渡します。 生きているからこその輝きです。 ていねいな描写は自然で優しく、美しく染み入ります。 悲しさが今の大切さを教えてくれる気がします。 読むみなさんの貴重な時間を当てていただきたい、そんな作品です。 レビューいいね! 1 2020年3月11日 15:11