三月の雪女

作者 プラナリア

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★★★ Excellent!!!

 三月初旬の或る日。
 僕は雪女と出会った。

 暦の上での季節は春でも、まだ、寒さがその身を凍えさせる頃、偶然、彼女と出逢った。
 具合が悪いのでは……と心配した主人公が声をかけると、その彼女は、『春を見つけた……』と嬉しそうに答える。

 あまりにも季節感のずれた様相に、訝しみながらも彼女を部屋へと招く。
 そこで語られたのは、衝撃的な事実と、哀しき過去。
 それを聞いた主人公の、優しき行動とは? 突き動かした衝動とは?

 この物語、ふたりを包みこむ情景も、ふたりが感じる優しげな想いも、そして、共にする儚げな短い時も、その表現が文学的に綴られているのが、とても素敵なのです。
 永遠に近い刻を彷徨う雪人の魂が、幸せと共に解放される時を知っているのは、空から舞降る名残雪だけなのでしょう……。

★★★ Excellent!!!

 静かなのにドキドキするお話です。
 
 登場人物も極限まで削っているのでしょうに、広い世界が広がっています。作中で主人公が、タイトルのような(→少し違いますが。)質問を受けます。仮に貴方が主人公だとして、どのような返事をするでしょうか?

 カクヨムに参加されている皆さんですから、答えは簡単ですよね。

 ・・・すいません。私は持ってません。

★★★ Excellent!!!

生きること。死ぬこと。
運命。
誰かを、深くただ一心に愛すること。
愛する人と別れること。
自分の想いを追って彷徨うこと。
表現すること。自分の中から想いを引き出せない苦悩。
その苦悩こそが輝きであること。

今、目の前を愛すること。
ただ、前を見て歩くこと。

あまりにも様々な感情が押し寄せ、まともなレビューになりません。
けれど——「生きる」ということの輝きが、作者様の心からとめどなく溢れ出しているのです。

まずは、物語の扉をあけてほしい。無心でページをめくってほしい。そのまま、最後の一文字まで読んでほしい。
言葉では書き尽くせない深さの哀しみと、それと同量の強い輝きに満ち溢れた物語です。