第1章 輝かしい絶望《ブライト・デスペアー》

人族ヒューマンだけでなく、他の様々な人種も地球には住んでいる。エクセシアルには、主に人族が住んでいた。人族の知識・博学・学力は地球上のどの種族よりも優れていると言われている。その人族たちがより多く集まってできた国。それがエクセシアルだ。勿論、人族の力だけで発展させてきたのではない。工事や物運び等、力仕事は豚族オーク。各組織を束ねるは、絶対的な力を持つ鬼人族オーガ。鍛冶や錬金などは森妖精族ドワーフ。軽いフットワークで、物品のやり取りや運搬・運送を主に仕事としている竜人族リザードマン。その他にも、妖精族エルフ獣人ビーストマンの力も借りて、エクセシアルは出来上がった。国内での争いは全く無いと言っても過言ではないほど平和な国だった。他国からの信頼も厚く、エクセシアルは一目置かれていた。


 何百年と続いた争いのない平和な日常は、ある日、突如として崩れ落ちた。


 エクセシアル国内での内戦が起きてしまったのだ。ひとつの種族が、ひとつの種族を攻撃する。今まで信頼してきた仲間を次々と殺していく姿はとても醜く、そして、とても悲しいものでもあった。


 何故、これ程まで平和だった国でいきなり内戦が起こってしまったのか。当時国民たちは知るよしもなかった。


 確かにエクセシアルは他国からの信頼が厚かった。しかし、全部の国がエクセシアルをよく思ってる訳では無い。当然、快くなく思っている国もあった。国民たちは、エクセシアルを発展しすぎてしまったせいで、他国の怒りを買ってしまったのだ。その国は呪術師シャーマン魔術師マジシャンなどが住む国だったため、怒りの矛先であるエクセシアルに住むものたちの1部に魔法をかけ、精神を思うがままに操っていた。そのために、エクセシアル国内で、内戦が起きてしまったのである。

 今はもう鎮まっているが、国は崩壊し、人口も5分の1以下にまで減ってしまったのであった。


 しかし、その先に待ち受けていたのは取り戻したはずの平和ではなく、絶望だった……

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失われた世界〈ザ・ロストワールド〉 神久津 @kamiQZ

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