物語を読ませて頂く中、まず驚かされるのは想像以上の残酷さ……なのですが、残酷さの中に描かれた感情の渦や足掻き……そして美しさすら感じる怒りと殺意。
冒頭からしばらくは(私自身が残酷すぎる描写や映像が苦手なこともあり)、どんな恐怖が待っているのか、恐る恐る読み進めていったのですが、予想を裏切る意外性の連続とWeb小説ならではの見せ方の工夫など、残酷さを凌駕する世界が広がっていきます。
想像力や構想し、物語を紡いでいく中の作者様の向上心の強さが、文章や物語の展開に込められているように思います。
天使や神……美しく神々しい存在すら血色に染められていくダークファンタジー。
レビューを書かせて頂いている7月12現在、今後どのような展開が待っているのか……予想中ではありますが、確実に予想を裏切る展開が待っていることでしょう。
「ひぐらしが鳴く頃に」をご存知だろうか?
この作品の一番の魅力は、やはり落差だと感じました。日常パート、のほほんとした雰囲気から一転、天国から地獄へ突き落とすかのように、絶望へ。
狂気、血が舞い、ハッピーなエンドロールは決して流れることを知らずに走り続ける光の速さで物語が進んでいきます。
ここまでの落差、そして狂気を書けるのは、純粋に同じ作者としては、心が強い人だと感じましたね。
同じ作品を書けるかと言えば、書ける書けないの問題ではなく、持たないが正しいでしょう。
それほどまでに、描写や血の濃さが激しいものなので、読者を選んでいる分、とても深く、険しい道を進んでいますね。
読み続けると、狂気に慣れ、血の濃さや味にもなれ、いつの前にか夢中になっていることでしょう!
素晴らしい作品です、是非ご覧あれ!