主人公はモブから価値ある人間になりたいと願う少年。
最強になりたいと思い、圧倒的強者に闇討ちを仕掛けるがあえなく敗北する。しかしここから彼の真の物語は始まる。
異世界転移作品だが異質。
チートを有して天狗になっていた鼻をへし折られ、強くなるためにかつて倒した道場に足を運び技を学びに戻るなど、なりふり構わず強さを求める姿勢は彼の強さ、特別な存在への渇望が感じられます。
そしてこの作品の一番の見どころは何を隠そう戦闘描写。
丁寧に描かれている心理戦から剣戟の攻防まで、その全てが滑らかで美しい。動きが映像として浮かび上がるほどに圧倒的だです。
この美麗な戦闘描写と、主人公の強さへの嘱望がこの作品の魅力。ぜひ、一読していただきたい作品です。
まずは熱い。
というのが、第6話から始まるvsシズ戦を読み終わった後の感想です。
それと陳腐を承知で言わせていただくなら、シズ萌えです。
主人公である西田の、強迫観念にも似た『強くなりたい』という思い。
そこに本物の戦闘描写が組み合わさることで、ギリギリの戦闘の中で成長する主人公、というものが濃密に描き抜かれていた。
というのが上記vsシズ戦の感想です。
いや、面白い。すごく好き。
西田のキャラクターも、我を持ちつつ嫌味は少なく、あとは名前の表記を「西田」としている所もここは個人的に好きです。
現状で十分に強い主人公が、しかし克己心と自らの欲で貪欲に強者の階段を登って行かんとする。
自分よりも遥かに強い強者の高みまで、到達するために。
この構図を『熱い』と感じ、また戦闘描写を楽しめる貴方には、ぜひお勧めしたい作品です。