第3話

それを待つしか方法がないのです。


私はそのまま横たわっていました。


それ以外、なにもできませんから。


やがて窓から漏れていた光が赤く染まり、そして真っ黒になりました。


ためしに身体を動かしてみましたが、やはり動きません。


そのうちにお腹がすいてきました。


首から下の感覚がほとんどないというのに、それでも空腹をおぼえるのがわかりました。


私は思いました。


猫に餌をやる時間はとうに過ぎています。


猫たちもさぞかしお腹がすいていることだろう、と。


そう考えていると私の飼っている猫が、まるで申し合わせたかのように一斉に、廊下でのびている私の周りに集まってきたのです。


数匹は私の身体の上に乗ってきました。


――私のことを心配して集まってきたのだろうか?


そう思いましたが、猫を見て、猫の目を見て私はあることに気付きました。


私の周りに集まってきた四十匹以上猫。


その全ての猫がこの私を、餌を見る目で見ていることに。



          終

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猫屋敷 ツヨシ @kunkunkonkon

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