第4話 守秘義務

不自然に食堂を飛び出した女生徒の後を気づかれないようについていった。

周りに人がいないのを確認して、神田は後ろから声をかけた。


「そこのお姉さん。どこ行くの?」


びくっと身体を震わせ、女生徒は立ち止まった。恐る恐る振り返る。


「あ、あの……どちらさまですか?」

「さっき食堂にいたよね? ちょっと話を聞かせてほしいんだ、小笠原さんのことで」

「え、あ、あの……」

「ああ、大丈夫。怪しいものじゃないから。秘密は墓場まで持ってくよ」

「い、いえ……あの……知りません、小笠原なんて子……すみません、あの……失礼します」

「わかった。大丈夫。君の身の安全は保証する。全力で君を守るから。だから、ちょっとお話聞かせて?」

「……あなたは一体……?」

「生徒会警務部機動捜査隊の神田寿明。悪いようにはしないから。とりあえず、うちの部室行こうか。あそこは誰も来ないから」


有無を言わせぬ笑顔で押し切られ、女生徒は頷くほかなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

生徒会警務部機動捜査隊! 丹波このみ @tannbakonomi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ