第28話 朝倉総裁の受難

 魔界時間21:41 地獄界閻魔庁府 妖魔殿ヒルズ最上エリア


 善景:う〜ん、仕事終わりに自宅で飲むコーヒーは格別ですねぇ♪


 ナビシステム:旦那様、地上エリアにお客様がお見えになられております。


 善景:私にお客さんですか?こんな時間に?


 ナビシステム:映像、出しますか?


 善景:お願いします。


 画面には強面こわもての龍神達が映っている


 善景:あ、明らかに堅気の方ではございませんね。


 ナビシステム:如何なさいますか?警察へ通報致しますか?


 善景:あ、話だけでも聞きましょう。襲うつもりならとっくに攻め込んでるでしょうから、通してあげてください。


 ナビシステム:畏まりました。


 転移装置で転移する


 清香:邪魔するぞ。妖魔銀行の朝倉善景で間違いないな?


 善景:ええ、朝倉は私ですが。


 1枚の写真を見せる


 清香:私はこのを探している、聞けばお前が連絡先を知っているそうではないか。


 善景:え、ええ。この娘の父親とは旧知の仲ですから、本人というより父親の連絡先なら。


 清香:お、おおお、お父様だと⁉︎


 善景:どうなさいます?アドレス用意しますよ?


 清香:た、頼む!


 善景:それにしても、この娘をどうするつもりなんですか?


 清香:決まってる!お、親子の盃を交わすんだ!


 善景:ちょ、ちょっと待ってください!え?親子の盃を?


 清香:何か問題でもあるのか?


 善景:有りますよ!だってこの娘は30歳、人間の歳で言えばまだ3歳ですよ?


 清香:親子の盃を交わすのに歳など関係ない!


 善景:いやいやいや、あまりにも無茶ですって!それに、そんなの彼が許しませんよ!


 清香:お、お義父さんにはちゃんと説明はする!


 善景:何しれっとお義父さんって言ってるんですか!


 清香:お前は黙ってアドレス教えれば良いんだ!


 善景:わ、分かりました!分かりましたよ、もうどうなっても知りませんよ?


 清香のデバイスにアドレスを送信する  


 善景:はい。これがミオちゃんのお父さん、ドナルド・ローエン博士のアドレスです。


 清香:初めから素直に渡しておけば良いんだ、邪魔したな。


 空間転移で部屋を出る


 善景:やれやれ、どうしたものですかねぇ。


 ケインと通話する


 善景:ケインさん、貴方ですね?彼女に教えたのは?


 ケイン:す、すみません。


 善景:・・・貴方の来月のお給料15パーセントカット。 


 ケイン:ええっ!


 善景:当然ですよ!幼い幼女を危険に晒したんですから。


 ケイン:そんな、ちょっと待っ・・・


 通話を切る


 善景:せめてもの救いはあの娘の居場所が分かってないというところですかねぇ。





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霧雨の怪盗 〜魔王少女物語外伝〜 ナオキ @Nebiusu

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