最終話 お別れ
学期末試験が終わり、後残すは終業式のみ。俺のところにシャルと結衣、優輝、伊藤、の4人が来て
「明日終業式だな」
「だな」
「なんて言うか。いろいろあった年だったなって思うわ。でもこのメンツと会えてよかったと年だったなって思う」
「そうだな」
優輝の言う通りだ。入学当初、結衣に告白したら振られて、絶望しているところに優輝が慰めてくれたり、そんな時シャルが転校してきたと思ったらご近所さんだったし、それも幼馴染だったんだもんな。生徒会には入れたし、イギリスに行って俺の記憶が戻った。そしてシャルと付き合えて、明日にはシャルが帰国する。でもそれは一時的にすぎない。だから...。
この5人でいろいろと話したら夕方になったので家に帰り、就寝する。
☆
終業式当日。朝目を覚ますと、まずは今日でシャルと当分会えないんだろうなって言う気持ちでいっぱいになっていた。でもそんなことをシャルに言ったらシャルもつらいと思う。だからこの気持ちは今思えばいい。家を出る時には収まればいい。
家を出るとシャルが待っていた。最後にシャルと一緒に登校する日。朝思っていたことがこみ上げてくる。でもシャルには悟られないようにしないと...。
「今日は終業式ですね」
「そうだね。楽しもうな」
「はい!」
その後はいつも通り雑談をしながら手を繋いで学校に向かう。その時、優輝と伊藤に会う。
「登校中に会うなんて珍しい!」
「そうだな」
「イチャイチャしててうざいわー」
「そっちもな」
俺と優輝が冗談まがいに話しつつ登校して学校に着く。
「おはよー。みんなで来るなんて珍しいね。仲間外れ? 」
「「「「おはよー」」」」
「違う違う。たまたまあっただけだよ」
「そっか」
ホームルームが始まると、まずは通知表を渡されて、色々な書類も配られた。そして校長先生の話を聞いて終業式が終わり、みんなとファミレスに行く。
「やっと終わったな」
「だな」
「一年間ありがとな。来年も宜しくな。俺たちも高校卒業して、時間ができたらイギリスに行くからさ、その時はまたよろしく頼むよ。本当にありがとう」
「みんなありがとう。私もゆうくんとイギリスに行くからその時はよろしくね! シャルちゃんはどこにいても友達だよ?」
「そうそう! この1年間で仲良くなったのに遠くに行くから友達じゃなくなるとか嫌だよ?」
「わかっています。私も結衣や雪奈と友達になれて本当に楽しかったです。それは上野くんも同様ですよ?」
「あぁ。わかってる」
「そんな辛気臭い感じになってもよくないし、もっと楽しい話しようぜ!」
今日でシャルを含めてみんなと話せるのは最後。そんな日が辛気臭いのは嫌。だから...。
「そうだな」
その後はみんなで今後どんな人物になっていきたいかなどを話して、ファミレスを出た。
「シャルちゃん! 今までありがとぅ。また会おうね!」
伊藤がシャルに泣きながら抱きしめて言う。その後に続いて結衣も
「シャル! 今度は私の恋話を聞いてもらうからね!」
「はい」
みんなと別れて、お互い家に帰る。そして家の外でシャルたちとお別れをする。
「今までありがとう」
これ以上は泣いてしまうから言えない。だから
「再来年まで待っていてくれ」
「うん!」
最後はあっけなくお別れをした。
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2年後
俺は高校2年生になって生徒会副会長になり、高校3年生では生徒会長として学校に貢献した。高校2年から卒業まで学年1位を渡さずに勉強を励んだ。
イギリスの大学に合格して今はシャルと一緒に暮らしている。
「だいくん! 早くいかなくちゃ授業に遅れてしまいますよ!」
「うーん。もうちょっと」
「ダメですよ!」
「うーん」
「はいはい。起きて起きて!」
朝起こされていつも通り学校に向かう。この日常生活が俺は一番楽しい。高校1年生に戻った気分。
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4年後
周りでぽつぽつと報告を受け始めた。まず最初に伊藤と優輝は結婚した。あいつら本当に大学を卒業してすぐ結婚したな。そして岩下と橋本とも結婚した。結婚ラッシュなのか? ちなみに結衣は大手商社のキャリアウーマンとして働いているらしい。
でも俺もそろそろだよな...。
「シャル」
「どうしたの? だいくん」
「結婚しようか」
「はい」
振られてから始まる恋愛 煙雨 @dai-612
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