第40話 ゆるっと他薦 その11(短編/空走特集)

 今回は、自主企画『筆致は物語を超えるか【空に走る】』のピックアップです。毎度いっておりますが、基準はすべてわたしの好みです。優劣ではありません。


 ―あらすじ(企画掲示板より引用)―

 葵は親友の詞の死により走る気力を無くしていた。

 そんな葵のもとへある日、死んだはずの詞から手紙が届く。

 そこには二人で目指した舞台への想いと、葵へのエールが書かれていた。

 葵は再び走ることに決めた。その姿を、天国の詞に届けるために。

 葵が再び走り出した時、日照り雨が降っていた。



【スタンダード系】

☆ゆあんさん作(現代ドラマ/陸上)

 企画主さんみずから、プロットに真っ向勝負した1作。喪失と再生、そして『走る』ことに真正面からとり組んだ青春ストーリー。かっこいいです。

(全4話/約5,300文字)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054918918991


☆蜜柑桜さん作(現代ドラマ/写真)

 女性カメラマン二人のドラマが凛々しく美しい。旅好きな蜜柑さんならではの情景描写も光ってます。

(全4話/約7,000文字)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054919015892


☆東海林春山さん作(現代ドラマ/バイク)

 バイクと陸上。それぞれの『走り』を応援しあう幼なじみ。切ないけれど、力強く爽やかな物語。養殖の虹、野生の虹というフレーズがツボでした。

(全3話/約12,000文字)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054918597953


☆いいのすけこさん作(現代ドラマ/演劇部)

 シンプルでストレートで真摯。そして構成やキャラ造形が抜群にうまいです。個人的には、病気ものを扱う懸念、死別を美談にしない姿勢などが盛りこまれているところもよかったです。

(全3話/約5,000文字)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054918513841


【???系】

☆竹神チエさん作(現代ドラマ/ショートショート)

 ロックでポップなひと夏の別れ。唯一無二です。これはほんと、竹神さんにしか書けない疾走感ではないかと。1分ちょいで読めるので、まずは読んでみればよいと思います。

(全1話/約650文字)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054918508285


☆愛果桃世さん作(戦国時代/昔話)

 とある昔話をベースにした物語。こちらもなにをいってもネタバレになってしまいそうなので、とりあえずお読みください。姫の足がめっちゃ速いんです。

(全1話/約2,300文字)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054918979363


☆シロクマKunさん作(現代ファンタジー/ラブコメ)

 ありそうでなかった設定。終始明るくコミカルで、だけどふいうちでホロリとくる物語。くすりと笑ってしまう読後感も素敵です。

(全1話/約5,000文字)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054919031441


【サスペンス系】

☆chauchauさん作(現代ドラマ/幼なじみ)

 葵と妹の紫。そして、双子の兄弟である詞と奏。葵、奏、紫、それぞれの思惑。序盤からほのかに漂っていた違和感の正体。はたして詞の死の真相は。イヤミス好きの方には特におすすめの1作。

(全4話/約5,600文字)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054918704832


☆ゆうすけさん作(現代ドラマ/交通ルール)

 男1人に女が2人なサスペンス。レギュレーションギリギリときどきアウト(?)な1作。怖いと感じるか爽やかと感じるか。人によって印象が変わるラストもおもしろいです。交通ルールは守りましょう。

(全4話/約9,300文字)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054918762770


【バトル系】

☆薮坂さん作(SF/男女バディ)

 宇宙植物により滅亡の危機にある地球を舞台に描かれる、熱いSFアクションです。死と隣り合わせの戦場で結ばれた絆。息がつまるような迫力の戦闘シーンも必見です。

(全3話/約10,000文字)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054918706485



 大切な人の死を乗り越えて――というのは、物語の王道ですよね。そして、生きていれば、誰もが一度は現実に経験するだろうことでもある。それだけに、いろんな意味で扱いがむずかしいテーマだったのではないかと思います。

 ストレートに挑んでいる方も、変化球でアプローチしている方も、それぞれに苦労のあとが見えたり見えなかったり。


 そんなことで。


 今回は期間短め。8月末までの企画ページはこちら。それでも35作超えてます。

https://kakuyomu.jp/user_events/1177354054918458015



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