政党を擬人化してみ隊

糸井嵜諸常

第1話俺が異世界転生する世界は絶対におかしい

「は?」

 起きたら俺は一面塵一つ無い真っ白な部屋に居た。


 嘘でも冗談でもジョークでも無く本当の事なのだ。


 俺、高石田輝人は16歳の高校生。東京西部多摩地区の北部、所謂北多摩に住んでいる。

 特に変哲の無い人生で拉致られる様な覚えもないし、まずこんな何も無い部屋が現実世界だとはにわかに信じ難い。


「痛てっ」


 夢かと思い自分の手の甲をつねってみたが確かに痛みを感じた。ならば本当にここは現実なのか......?


 そうゆう風に考えていると突然やかましい声が部屋に響いた。


「なにあんた自分の手を抓ってるの?そうゆう趣味?」


「違うわ!!!!!!!!!」


 思わず声をあげる。


「じゃあなんで自分の手なんて抓るのよ」


 突然やって来た女はそんな舐めた質問をしてきやがる。


「何でってここが夢なのか確かめるためだよ」


 そう応えると応えた相手は笑い始めた。


「あっ、あんたここが現実だと思ってるの!?っ!あっははっ、ゴホゴホ!あーおかしいの」


「なっ、だってここが余りにも非現実な場所だから現実か確かめただけだ......」


 そう勢いよく抗議する途中である事に気がついた。


「今あんた!?って言わかなったか?」


 そう確かめると相手はさも当然の様に答える。


「ええ、そう言ったわよ?だってここは死後の世界よ?あなたの神経だってもう通ってないから痛みも暑さも寒さも感じないわよ?」


「えっ!!!???

 死後の世界!!!???」


 その衝撃が脳内を駆け巡る。理解出来ないし理解したくもない、が。神経は通って無いから痛みを感じないと彼女は言った......。一体どうゆう事だ?


「何ポカーンと間抜けな顔してるの?言ってる通りよ?理解しづらいかもだけどパッパと理解した方が楽よ?」


 そんな事を抜かすこの女も見た目麗し女神と言っても過言でない程の美貌を携えているのだ。

 死後の世界と言われれば信じられなくもないが、だが、1つ言わなければいけない事がある。


「でも俺痛み感じましたよ?」


「はぁ?」


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「あぁー、何やっちゃったんだろ私!なんでこんなミスを......でもおかしいわよ、だって私こんなミスした事も無いし......なんで......」


 さっきからこの女がグチグチ何かを呟いている。どうやら此奴こいつがミスっておれを死後の世界ここに連れてきてしまったらしい。

 はぁ?


 なんだ俺此奴のミスで死んじまったのか?巫山戯ふざけんなよ......

 何故か情けない気持ちになる。



「分かったわ。確かに貴方は私のミスでここに連れてきてしまいました」


 急にスイッチを切り替えたらしいこの女は俺に平然とそう告げた。


「普通1度ここに来たらそのまま天国か地獄に行くのだけど......それは流石に酷いと思うわ。だから貴方に違う世界で生きてもらいます。」


 良くある異世界転生もののラノベか漫画定番の流れに入った。


 というかマジで異世界転生なんて御伽ばなしあるんだなぁ......


 非現実的過ぎてそんな感想しか浮かばない。


「な〜に微妙そうな顔してるのよ?生まれ変われるのよ?嬉しいことでしょ?これも私が必死に偉い神様達にお願いしてあげたから叶う事よ?」


などと恩着せがましい言い方をしてくる。元は此奴がミスったせいだろ......


「さぁて、一気に飛ばしてあげるから動かないでね!!動くと失敗して永遠と時空の狭間を彷徨さまよう事になるわよ!」


サラッととんでもない事を言い出しやがったよ


時空の狭間を彷徨うなんて嫌だから正直に動きを止める。


「そんな緊張しなくていいわよ?」


そう言いながら神様(笑)微笑する、

と同時に俺の周りに変な紋様が次々と浮かんできた。まるでアニメの魔法陣の様な模様だ。


そうして段々と気が遠くなるなか、彼女はハッとして、それから俺に向かって叫んだ。


「忘れてた!あんたの行く世界ちょっと変わってて!!」


更に意識が遠くなって行く。


「現実世界にある」


現実世界にあるなんなんだ?勿体ぶらずに早く言ってくれ。


「政党が!!」


セイトウ?セイトウってあの政党か?


「元になった......ステータ......名前は......」


既に意識が混濁して上手く聞き取れない。


が、一つだけ分かったことがある。


この異世界はろくでもない異世界だと。

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政党を擬人化してみ隊 糸井嵜諸常 @minazuki41

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