サンプリングとメタファー

慣用句的用法ノススメ

 私、引用やサンプリングが大好きでして、特にメタファーとしてや慣用句的使い方をしがちなんですね。

 少し前に話題になった『いつか怪物になるわたしへ』という文章の中の「虎になる」というフレーズの使い方がまさにそれです。興味のある方はぜひ読んでみてください。


 それで私の作品の話になるんですが、「ミッちゃん」や「図鑑を埋める」なんかは元々、私がそういった使い方をするために書いた文章のようなものでして。

 ほら、概念を定義するのって難しいでしょう? だから辞書的にではなく物語的に書いたんですよ。上手く書けているかはまぁさて置いて。「ミッちゃん」は『ミッちゃん その2』の頭の方で、「図鑑を埋める」は『買っちゃったんやけど、使ってくれん?』の最後で、例文的な使い方をしているんですけど気づきました?


 これらを友人たちに読んでもらったんですけど、それからは私の中にあった不明瞭な感情や感覚を簡単に伝えられるようになったので、書いてよかったと思いましたね。なんとなく物語というものの使い方を間違えているような気もしますが、作者の私がそのつもりで書いた作品なのでいいということにしましょう。

 さらには周りの友達も、「私にとってのミッちゃんは」「今、私ミッちゃんになってたかな」などとスムーズに使ってみせたので、ああ、きちんと伝わるものを書けていたらしい、と安心することができました。自分の書いたものを読んだ人が少しでもそれを気に入ってくれて、さらには使ってもらえるというのはとても嬉しいものです。これこそ、字書き冥利というものですね。

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言語化を試みた概念たち、または日記 てにゃわにゃ @Ten_ya__Wan_ya

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