ちょっぴりネガティブなやつ

自分役

 私、嘘をつきがちなんだと思う。

 初対面の人とかを相手にスムーズに喋れた場合って、完全に自分を隠してる訳でもないけどなんていうか、耳触りのいい言葉に変換してるというか、後で思い返すと本心というにはニュアンスが違うことを喋ってるというか、結局はそれって嘘をついてるってことなんだと思う。

 今日の面談でも感じたけど、自分の思いとかに関する質問をされたとき、スムーズに聞こえがいいような事を喋ってるなって自覚したタイミングがあって、「え、私そんなこと思ってたっけ」って不思議な感覚だったりした。これが大抵、喋ってる最中は自覚できないし、なんならそれが事実だと思い込んで喋ってる節がある。自分で作った自分役に入り込んでる感覚。だから、質問にもスラスラ答えられるし、大抵いい印象を持たれたり、自分の欠点を言うと「そんなことないと思うけどな」って返ってきたりする。

 でも親相手にはそうはいかないじゃん。素で相手することになるから、わかんなかったらわかんないし、いい感じの言い回しとかも出てこないし、めちゃくちゃ吃るし。

 それの何が困るって、そのギャップ。今日みたいに「今の感じで説得してみたらお母さんも許してくれると思うよ」って言われちゃうんだよ。今の感じはあなた相手だから出たんであって、お母さん相手には無理なんです!

 でもそんなこと言うのもさあ。だって、あなたに素で接していませんでしたって告白するようなもんじゃない? ほんと、どうしたもんかなあ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る