出会いと別れを繰り返す物語

リヒト/レイナとして幾度となく転生を繰り返し、多くの出会いと別れを繰り返す物語。
彼が最初に得たものはたった2つ、「記憶を引き継ぐこと」と「あらゆる言語を解すること」。頼りの記憶も頼りなく、2つも世界を跨げば朧げになってしまう程度のものでしかない。
それでも死を迎えるたびに新たな人生設計をしては、それを叶えるために一切の慢心なく技術を習得しようとする姿が、この物語の魅力の1つでしょう。

もう1つにして最大の魅力は物語全体を通しての暖かさ。
彼は家族や仲間に対して常に感謝し、力になりたいと願っています。時には自分の計画や考えを曲げてまで、手を差し伸べようとするのです。
どれだけ転生しても悪目立ちする彼は、自分の周囲全てを味方にする超人ではありませんが、手を取り合って生き抜き、穏やかな最期を迎えた時ほど嬉しいことはありません。

彼が転生する理由やたびたび登場する他の転生者との違い、1周目だけほぼ完全に失われた記憶など、この物語には多くの秘密が残されています。
残された想像の余地を噛みしめながら、2期の続きにも期待したいと思います。

個人的な話をすると、マリア(2周目)と猫がすごく好きです。いずれ……また……。