十月二十四日

 道に、ひやりと風。どこからか石鹸のにおい。

 夜の子どもたちが、屋根を磨いて遊んでるのだ。通りすぎる屋根屋根が、あんなに光っているのは、そのためだ。

 さては月さま、あなたもすこし削られて、かれらの手提げ缶のなかだろう。

 めずらしい粉石鹸だもの。泡には虹も立つだろう。

 もうみんな、はしゃいで笑っている。跳ねまわってる。

 ああ、そこんの屋根は急だから気をつけなさい。

 そこん家は天窓を引っかかないように。…

 わたくしの細めた左目を、よいにおいが明るくしていった。

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光源 きし あきら @hypast

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