繊細な描写で紡がれる一人の魔法使いの人生

 これは魔女狩りの中で生きる魔法使いの旅物語だ。

 しかし、主人公のサラの葛藤や旅の過程で出会った感情は我々の気持ちを揺さぶってくる。いつの間にか自分とサラを重ね合わせ、そして一つ一つの出会いで変わっていくサラの姿は見ていて気持ちが良い。

 短編連作という形式のためにちょっとした時間でも読みやすく、文章自体も引っかかることなくすらすら読めるためにオススメだ。

 そして、短編連作だからこそ表現できる全ての物語が一つに繋がっていくのだろう未来を期待させてくれる作品だった。

 もし気になってるのなら、とりあえず読んでみることをオススメしたい。