このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(368文字)
いきなり現れた天使、永遠の物語を書けという。合わせ鏡のようにどこまでも続く物語。主人公は左から右へと原稿用紙の白を埋めていく。「埋める」。すぐ次を書かなければ、決まっている「その後」を書くことができないということだ。彼はいつもそれで苦労している。天使はそんな彼に他愛もない話をしていくだけ。そして言う。「永遠に小説を書くんじゃなくて延々と小説を書くんだね」「小説に囚われちゃいけないよ」結局、囚われたのは……誰でしょう。