第7話 プロポーズするゲーム

はじめに

今年一年、たいして良い子じゃなかったけど頑張って生きてたからご褒美にサンタさん(アマゾン)から「たった今考えたプロポーズの言葉を君に捧ぐよ。」というプレゼントをもらった(自分で買った)ので、からから~のメンバーでやってもらったのです!

…………うそでーす。私が個人的にやりたいがために買いましたしむりやりカヨカちゃんたちを巻き込みましたそのことをここに懺悔しますサンタさん。あと小説の形を成してない書き方でごめんなさいサンタさん。


ルール説明は私がするよりも公式動画見た方が手っ取り早いと思うけど念のため書いときます。リンクも貼っておきます。

『たった今考えたプロポーズの言葉を君に捧ぐよ。』の遊び方" を YouTube で見る

https://youtu.be/u_gjvRd0GMY


親と呼ばれるプロポーズされるひとをひとり決めて、そのひとに向かって残ったメンバーが指輪を差し出しながら「結婚しよう」とプロポーズします。親は一番胸きゅんしてときめいたひとの指輪をひとつ選び、受けとります。……なぜ親という呼称なのかは知りません。個人的にプロポーズされるひとは誰でも姫と呼びたい。

指輪はひとりにつき三個、先に三個選ばれたひとの勝ちです。

親以外はランダムで配られたカード六枚と、万能カード六枚を上手に組み合わせてプロポーズの言葉を考えます。カードは全部使わなくても大丈夫です。万能カードのみ組み合わせてプロポーズしても大丈夫です。例えば「僕は」「君を」「愛してる」だけ並べてもオーケー。詳しくは「たった今考えたプロポーズの言葉を君に捧ぐよ。」を動画で検索!

時間制限は基本十秒で親が十数えます。ですが私の場合、考えるのに時間がかかることから全員考え終わるまで待つ方式を取りました。

一回目のプロポーズが終わると、親も変わります。親の隣にいたひとが次の親、プロポーズされる側になります。

ランダムで配られたカードは一回目が終わると没収され、またランダムで六枚配られます。万能カードは六枚そのまま持ってて大丈夫です。ランダムカードの山札がなくなったら、没収されていたランダムカードをシャッフルして山札に直します。

とまあ、だいたいの流れは説明したので……さあ、カオスをレッツプレイ!


最初の親、あーちゃん

カヨカ、青の指輪

トロン、紫の指輪

スズネ、赤の指輪

トドメイ、オレンジの指輪

親の順番はあーちゃん、トドメイ、スズネ、トロン、最後にカヨカ。


念のために、影イルカ=スズネ、トドメイ=ルイ、あーちゃん=四つ在です。カヨカは余裕がなくなると口調と一人称が変わります。みんな、四つ在のことを「あーちゃん」と呼びますが、カヨカだけ「あーさん」呼びです。


 それではプロポーズゲーム、スタート!

カヨカ「じゃ、やろっか」

リアン「四つ在を親と呼ぶのもなんだから、ここでは姫にしないか?」

スズネ「おっけー」

トドメイ「誰もやるなんて言ってねぇ……」

トロン「そうやってすーぐ、ごねるんだから。いい加減腹決めてよ。オレだって、おねーちゃん以外に愛の告白とかヤなんだからさ」

トドメイ「あんたと俺を一緒にするな三歳児」


一回目

トドメイ「えー、っと。俺が先かよ。んじゃ手っ取り早く……「僕は」「君を」「愛してる」はぁ~……結婚しよ」

あーちゃん「ああー」手で×を作る

トドメイ「ちゃんとやっただろ!?」無難に、僕は君を愛してるにしたひと

あーちゃん「あぁあ。あー、あ~」

リアン「ふむふむ。セオリー(普通)過ぎてダメだそうだ」

トドメイ「はあ!?」

トロン「殿下がダメって言ってんじゃん。だったらダメなもんはダメなの。はい、そんじゃもっかい、シンキングタイム」

トドメイ「くっそ、姫なのか殿下なのかはっきりしやがれ……!」

カヨカ「あ、やり直しに不満はないんだ」

トドメイ「お、お、有、り、だ!」

スズネ(…………分かりやすいヒト)

カヨカ「あ、次、影イルカだね。どう?」

スズネ「……んー。そう、だね。うん、出来たよ「僕が」「なってあげるよ」「愛」「の」「伝染病」「君も」「なってくれないか?」「キッス」「なんちゃって」結婚しよう?」

カヨカ「おー」

トロン「このキッスって口で言ってるの? それとも相手にチュッてしてるの? どっち?」

スズネ「お任せ♪」

トドメイ「いやいや、口で言ってたらシュール過ぎんだろ……」

スズネ「楽しければいいよ。なんでも」

トドメイ「あっそ」

リアン「これは、どうだ? 四つ在?」

あーちゃん「あー……」

カヨカ「審議中、だって」

トロン「じゃ、次いこ次。確か、オレだよね?」

カヨカ「そうそう。出来た?」

トロン「ちょっとまって。えっとねー……よし、完成!「僕が」「苦しい時」「悲しいとき」「永久に」「君に」「いてほしい」「君は」「僕の」「奇跡」「幸せ」「に」「して」結婚しよ?」

カヨカ「幸せにして? だって。かわいい。不覚にも、ときめいた」

トロン「もっと、ときめいて」

リアン「……! 全部のカードを使ったのか? すごいじゃないか!」

スズネ「自分が幸せにするんじゃなくて、相手に幸せにしてもらうためのプロポーズ、か……。母性本能くすぐられる、いいセリフだね」

トドメイ「そうかぁ? 男としては、ちと情けなくないか?」

スズネ「いいじゃない。幸せなら、どっちでも」

四つ在「あぁー……」

カヨカ「また審議中?」

リアン「ん? それなら最後のカヨカまで終わらせよう」

カヨカ「はぁい。といっても、ボクのあとにルイくんいるんだけどな。ええっと……「僕の」「な」「か」「の」「君が」「大切に」「変わる」「なんて」「変かな?」結婚しよう。っと、こんな感じ?」

トロン「変じゃないよ! おねーちゃんの勝ち。これ決定」

スズネ「まったく、勝手に決定しないの」

リアン「んん? ああ、カヨカ。おしかったな。僕の中の、よりも、僕の中の方がしっくり来ただろう?」

カヨカ「あ、バレた?」

トドメイ「たいして違いねぇだろ」

スズネ「大有り、よ。小さなニュアンスの違いで、言葉の意味は大きく変わるもの」

四つ在「あぁ~……」

リアン「スズネとカヨカは、似たような最後になったな」

スズネ「照れ隠しっぽいのが似てるのは認めるけど、全然違うよ。私のは「なんちゃって」と言うことで相手に逃げ道を残す言い方だけど、カヨカのは「変かな?」って相手にきくことで、相手を逃がさないような言い方だから。私とカヨカは、一緒じゃないよ」

カヨカ(…………。)

トロン「そんで? あーちゃんは誰を選ぶの?」

あーちゃん「あ~……」

スズネ「おいおい、トドメイくんがまだ残ってるでしょ? 仲間はずれは可哀想だよ」

あーちゃん「あ! ああああ!」

トドメイ「チッ……余計なことを」

スズネ「ふふん♪」

トドメイ「えっとー、んじゃさくっと「君を」「墓に」「し」「ナイト」「死ぬまで」「一緒」「の」「悲しみ」結婚しよ……」

あーちゃん「あぁあー! あー! あぁあーああーあー!!」

リアン「これは……ひどいな」

カヨカ「むしろよく出来た、よね? 特にナイト。すごく、上手に使ってる……」

トロン「ある意味、すごい出来ではあるね」

スズネ(…………そんなに嫌なの? 本当、分かりやすいヒト)

リアン「では、結果発表といくか」

カヨカ「さ、あーさん」

トロン「オレたちの中で」

スズネ「誰を選ぶ?」

トドメイ「はよ、決めちまえ」

「「「「結婚しよう」」」」

あーちゃん「あー……あ~…………あぁ!」

 選ばれたのは……赤い指輪!

スズネ「あら?」

カヨカ「よかったね。おめでとう」

トロン「おめでとー」

リアン「スズネにするか、トロンにするかで一番迷っていたな、四つ在?」

あーちゃん「あぁあ~」照れ

トドメイ「どーでもいーからサクサクいこうぜ……」


二回目

リアン「今度はルイがプロポーズを受けるお姫さまだな」

トドメイ「リアンさん……その言い方、悪意あるから止めてもらえます?」

リアン「はははっ。ああそれと、四つ在はプロポーズに参加しないようだ」

カヨカ「あ~、もしかしてルイくんのプロポーズで、すねちゃった?」

トドメイ「俺のせいかよ」

あーちゃん「……あっ」ぷいっとそっぽを向く

スズネ「まあ、いいじゃない。あなたの願い通り、サクサク進むんだよ?」

トドメイ「あー、そーだな」

スズネ「ふふっ(最初は乗り気じゃなかったけど、だんだん楽しくなってその気になってたみたいね。分かりやすっ)」

トドメイ「……なーんか、感じわるっ」スズネ見ながら

カヨカ「ルイくんが親だから……次の一番は影イルカだね」

トドメイ「なーんか、やな予感……」

スズネ「くっ、ふふっ。それじゃあ、いくよ?「尊い」「気持ち」「ってなんだろう?」「終わらない」「愛」「って不思議だね」「ベイビー」結婚しよう」

こいつ、ぶっこみやがった!

トドメイ「なんだそれふざけとんのか。なんだベイビーって。チャラついてんじゃねぇぞ」

スズネ「あははっ。すっごい酷評!」

カヨカ「ぷ、ふふっ。意味わかんない、わかんないけど、なんか面白いっ」

トロン「尊い気持ちってなんだろう?」真面目なトーン

カヨカ「ぷっ、はははっ。やめ、トロンったら、おかし、ふふっ」

リアン「終わらない愛って不思議だね、ベイビー」真面目なトーン

カヨカ「ぷふ、はははっ! リアンまで、やだ、笑いこらえられな、あははははっ」

トドメイ「……いつから大喜利はじまったんだよ」

スズネ「たぶん、あなたからだと思うよ?」

トドメイ「まじかよ」

カヨカ「つ、次は、っふ。トロン、だね?」

トドメイ「引きずるなよなー」

カヨカ「ぷふっ、ははっ……」

リアン「ははっ。カヨカがここまで笑うのは珍しいな」

トロン「ほんじゃーいくぞー「僕」「君の」「バラ色」「の」「希望」「が」「大切に」「大きくなって」「も」「スーパー」「辛くて」「耐えられないんだ」結婚しよ」

トドメイ「意味わからん」

カヨカ「ぷっははははっ! トロン、それ、ひどい……あっはははっ」

リアン「僕君ぼくきみとはなんだろうな」

スズネ「新しい一人称かな?」

カヨカ「ぷははははっ!」

トドメイ「さりげなくまた配られたカードと手持ちのカード全部使ってるところがなんか腹立つ。って、やっぱり大喜利じゃねーか!」

カヨカ「ぷぷっ、ははははっ」

トドメイ「いつまで笑ってんだよ!?」

カヨカ「だ、だって、だってさぁ……こんなの笑っちゃうよ、ぷふふっ。スーパー、スーパーも、ずるい……ぷふはっ」

トロン「スーパー辛くて耐えられないんだ」ガチトーン

カヨカ「ぷははははっ!」

リアン「ラストはカヨカだが、いけるのか?」

カヨカ「ふっ、うん。なん、とか……はぁー。それじゃあ最後、ぷふっ。いくね?「笑いながら」「は」「ダメですか?」けっ、こん……しよ、ぷふっ」

トドメイ「笑ってんじゃねーか!」

トロン「ドンピシャだー」

スズネ「タイミングばっちりね」

リアン「まるで狙ったかのように回ってきたな」

カヨカ「ぷ、ふふふっ。ほんと、にね?」

リアン「さて、ルイよ。いや、数多の告白を受ける乙女よ」

トドメイ「誰が乙女だ。姫だの乙女だの、笑わせんな。あんたまで悪ノリしてんじゃねー」

スズネ「っく、ふふっ」

トドメイ「あんたもいつまで笑ってんじゃ……って、今度はお前かよ」

スズネ「ふっ、失礼」

リアン「ははっ。すまない。笑ってるカヨカがかわいくてつい、な?」

ブスッとふてくされるトドメイ

リアン「では、話を戻そうか。今回のスズネは、奇跡的にランダムカードのみでのプロポーズだったな。いやはや面白い」

カヨカ「ぷふふっ……」

リアン「トロンも珍しく乗っかったのか、すべてのカードを使い、見事プロポーズを完成させた」

トロン「もちろん。おねーちゃん笑わせるのがスズネだけとか、つまんないしね」

リアン「そしてカヨカの手札は、まるで今までの出来事を読んでいたかのようなタイミングで素晴らしいものだった」

カヨカ「偶然なのがまた、すごいよね」

リアン「それで、ルイは誰のプロポーズを受けるのだ?」

スズネ「誰を選ぶかなんて」

トロン「分かりきってるけど」

カヨカ「さ、選んでみて?」

「「「結婚しよう」」」

トドメイ「はいよ、そんじゃオレのカミサマに、けって~いっと」

 選ばれたのは……青い指輪!

カヨカ「あ、ボクなんだ」

トドメイ「間違ってもベイビーや僕君は選ばねぇよ……」

カヨカ「ぷふふっ」


三回目

スズネ「次のお姫さまは私かぁ。ふふっ、姫ってガラじゃないな。でもこれは、さしずめ高見の見物というやつなのかな? さあ愚民ども、せいぜいこの私を楽しませてちょうだい?」

トドメイ「ワガママ姫じゃなくて傲慢女王かよ……って、はあ!? ウソだろなんだこのカード!」

トロン「んじゃうるさいのは放っておいてー、確か順番はオレからだよね? いくぞー「僕が」「消し去ってあげるよ」「愛してる」結婚しよう」

スズネ「んー、こわい♪」

トドメイ「なにを消し去るのか分かんねぇとこがさらに怖ぇんだろうな……」

カヨカ「トロンはイイコだよ?」

リアン「怖いくらいかわいい、という意味ならわかるな」

トドメイ「ちげぇーよ、バカ。身内にゲロ甘かよ」

カヨカ「次はボクだね。よしっ「君にとって」「消すことのできない」「地獄」「が」「僕」「なのさ」結婚しよ?」

トドメイ「怖ぇーよ! 姉弟そろって、消すとか地獄とか、ホントなんなんだよっ!!」

スズネ「…………そうね。最後は、トドメイくん。あなただったよね? 早くしてちょうだい。女王さまは、気が短いのよ?」

トドメイ「慣れない話し方すんな、きしょくわりぃ……あーくそっ。これコイツに言うのかよ。ゲームだし、しゃーねぇか。んじゃ、いくぜ「僕は」「きっと」「誰よりも」「幸せ」「君も」「僕と」「暮らさないか?」…………う、結婚、しよ、う……ぐっ」

スズネ「ふふん♪ どうしよっかなー?」

リアン「おお。正統派だな」

トドメイ「カードのせいだ、カードの。つかなんで俺だけこんな……」

スズネ「さんざんふざけてたツケじゃない?」

トロン「言えてるー」

トドメイ「っるせーぞ!」

リアン「それでは、スズネ。誰にするか決めたのか?」

スズネ「ええ、もちろん」

トロン「ま、ここは一番マトモなの選ぶよねー」

カヨカ「ぷふっ。フツーは、そうだよねー」

トドメイ「…………(イライライライラ)」

「「「結婚しよう」」」

スズネ「……うん。カヨカで」

 選ばれたのは……青い指輪!

トドメイ「なんでだよ!?」

スズネ「あら? あなたはなぜ、そんなに驚いているのかな? もしかしてー、自分が選ばれると思っていたのかな? どうかな?」

トドメイ「ぐっ……俺はっ、俺が! 一番! マトモだったろ!?」

スズネ「ごめんなさいね。私、普通と言われるのキライなの」

トドメイ「なっんで俺が! 振られたみたいになってんだ!!」

カヨカ「失恋?」

トロン「カワイソー」

リアン「ここはドンマイ、と言うべきなのか?」

トドメイ「うるせーよ!」


四回目

リアン「それでは、次の姫役は……」

トロン「殿下がいい」

リアン「わかったわかった。次のプロポーズを受ける殿下はトロンだな?」

トロン「もちろん、おねーちゃんを選ぶ」

トドメイ「とんでもねぇ贔屓を見た」

スズネ「トロンくんらしいけどね」

カヨカ「トロン。まだ、はじまってないよ?」

リアン「では、次の一番手はカヨカか」

トロン「おねーちゃん。おねーちゃんに決定。おねーちゃんしか勝たない」

カヨカ「トロンったら、仕方ないなぁ。でも贔屓はダメだよ? それじゃあ一番のボクから、いくよ?「赤ちゃん」「の」「君を」「抱きしめたい」「と」「求めるのさ」「この感情」「は」「愛」……結婚しよう」

トロン「オレを! 抱きしめてよ! 今すぐに! ねえ!」

カヨカ「ひゃあああああっ!! セリフ! セリフだからぁ!」

トロン「愛なんでしょ? 抱きしめたい感情は愛なんでしょ!?」

カヨカ「赤ちゃんの頃だってばー!」

トロン「三歳児は実質赤ちゃんみたいなもんだろ!」

カヨカ「急に、ワタシに、触るなぁあああ!!」

トドメイ「おーおー、逃げ出そうと必死なウナギか、あるいはドジョウに見える」

スズネ「急な接触が苦手なのは、実の弟でも変わらないのね」

トドメイ「ってか、これプロポーズか?」

スズネ「さあ? でも、ここは普通「君の赤ちゃんを抱きしめたい」になるはずなんだけどね。そこはトロンくんだからって感じなのかな?」

トドメイ「……どーでもいーけど、次いくぞ次」

スズネ「順番通りならあなたでしょう?」

トドメイ「そーだったそーだった。んじゃさくっと……「真っ白なキャンバス」「の」「世界」「心から」「大切にするよ」「か」「よ」「か」結婚しよう」

トロン「阻止ー! そーしー!!」

リアン「おお、上手いな」

トロン「褒めるなー!」

スズネ「しかもちゃっかりカヨカの方を向いて指輪差し出す辺り、確信犯ね」

トロン「ダメダメダメ、ダァーメェー!! おねーちゃんしか勝たせる気なかったけど、こんなの絶対許さない! 許せないぃー!」

トドメイ「うるせーなァ。負ける前提で挑むなら、これくらいふざけたっていいだろ?」

トロン「いーやーだー!!」珍しく顔赤くして癇癪

トドメイ「なんだよ。こんな意地悪くらい、見逃せって」

トロン「ヤァーダァー!!」泣きわめく幼子のような声

カヨカ「あ~もう、ルイくんもトロンいじめないの。トロンもほら、怒らないで。おねーちゃん、トロンの怒った顔見たくないな~」

トロン「…………う」なにかをねだるような、我慢してるようなぶつくされた顔でカヨカをにらんでる

カヨカ「あ~、う~……ほら、だっこ。だから機嫌なおして? ね?」震える手で両手広げて受け入れポーズ

トロン「ん……」遠慮なく甘える

カヨカ「よしよし。トロンはイイコ、イイコだねートロンは」とんとんとリズムよく弟の背中を叩くおねーちゃん

スズネ「続けても、大丈夫かな?」

トロン「……ん。いいよ。このまんまだけどねっ」トドメイにあっかんべー

トドメイ「ハンッ。オネーチャンに抱きしめてもらう、いい口実になったんじゃねーのか?」

トロン「ふんだっ。知らないっ」

スズネ「まあまあ、楽しくやろう。トドメイくんはあとでお説教しとくから、機嫌なおしてよ、トロンくん?」

トロン「はぁい」

スズネ「それじゃあ仕切り直し。いくよ?「マジ」「もう十分さ」「あの日見た」「愛」「を」「叫」「ぶ」「宝石箱」……結婚しよう」

トロン「…………」

カヨカ「…………っぷ」

トロン「愛を叫ぶ宝石箱……」

カヨカ「ぷふふ、はははっ。影イルカはそんなのばっかりだなっ」

トロン「スズネは変なのばっか引くねー」

スズネ「ふふっ。狙って引いてるわけじゃないけどね?」

トドメイ「狙って並べ替えてはいるんだろ?」

スズネ「ふふっ。まぁねー♪」

リアン「ふむ。全員終わったな。さあ、トロン。お前は誰のプロポーズを受ける?」

カヨカ「トロン? わかってるとは思うけど、贔屓はダメだよ?」

トドメイ「ま、分かりきってるだろ」

スズネ「トロンくんだからねー」

「「「結婚しよう」」」

トロン「ん。決めた」

スズネ「え?」

トドメイ「おっ」

カヨカ「ぷふっ」

リアン「トロン、理由をきいてもいいだろうか?」

トロン「うん。スズネは、このゲームはじまってから、ずっとおねーちゃんを笑わせてくれたから。あんな風に笑うおねーちゃん、見せてくれたから。お礼、じゃないけど……オレも、笑えたから」

 選ばれたのは……赤い指輪!

スズネ「ふふっ。そう? イロモノばかりだと思ったけど、そう言われたら、なんか得した気分ね」


五回目

カヨカ「それじゃあ一周目、最後の親はボクだね」

リアン「そういえば、カヨカとスズネはあと一回選ばれれば勝ちだな」

スズネ「あらそう? 意外と選ばれてるんだね」

トドメイ「あ、さっきトロンがカヨカ選んでりゃあすんなり終わったんじゃねぇか。はぁ~くそ、しくったな。俺は早く終わらせてぇよ……」

トロン「ぷくくっ。まだ選ばれてないもの同士、仲良くやろっか?」

トドメイ「また泣くんじゃねぇぞ、ガキ」

トロン「泣いたことなんて一度もないよ」

トドメイ「んじゃ、また俺からだよな? さくっといこう、さくっと……「君の」「最高」「の」「味噌汁」「に」「僕は」「夢中さ」「愛してる」「そろそろ」「僕と」結婚しよう」

カヨカ「おおー、いい流れ♪」

トロン「味噌汁、なんで?」

リアン「少し、いや、かなり古いが……君の作る味噌汁を毎日飲みたいというプロポーズが流行っていたのだ」

トロン「なんで?」

リアン「…………あったかいから、じゃないか?」

スズネ「次は私か。終わりも見えてきたことだし、サクサクいこう「大切にするよ」「君は」「僕の」「星」「君と」「ゴールイン」「したいんだ」結婚しよう」

カヨカ「はぁ~、ロマンチック♪」

トロン「おねーちゃんが星、か……わかってるじゃん」

リアン「急に真面目なプロポーズになってきたな」

トドメイ「ま、相手がカミサマだからな。真面目にもなるさ」

リアン「いよいよ、最後はトロンだな?」

トロン「うん。ぜったい、まけない。かならず、かつ!」目が本気過ぎて獲物を見つけた蛇のように鋭くなる。瞳孔かっぴらいてる。普段の眠そうなコアラの目はどうした

トロン「「僕の」「大切な」「可愛」「く」「て」「美しい」「君」「愛してる」「僕」「と」結婚しよう……」

カヨカ「ふあ~……!」赤面して悶絶

リアン「本気で勝つつもりなのだと、伝わってくるな……」

トドメイ「俺たちが使ってきた手の良いとこ取りかよ……」

スズネ「これは、悔しいけど勝てないね」

リアン「では、カヨカ……この中から一番いいと思った告白をしたヒトの指輪を、選ぶのだ」

トドメイ「カミサマの決めたことなら、おとなしく従うさ」

スズネ「私はなんでも構わないよ」

トロン「おねーちゃん……」

「「「結婚しよ……」」」

リアン「待った」

トロン「リアン? なにさ」

トドメイ「勘弁しろよ。早いとこ終わらせたい」

スズネ「あら。もしかしてリアンさん……あなたも?」

リアン「もちろんだとも。かわいいカヨカにプロポーズするのだろう? それならばぜひとも参加したい。乱入してでも参加するに決まっている」

トロン「わかる」

トドメイ「って、力強く頷いてんじゃねーよ!」

スズネ「ふふふっ。こればっかりは、仕方ないよねぇ?」

乱入。四つ在の手助けつき。

黄色い指輪を持つリアン「いくぞ?「強がりな」「君は」「僕にとって」「大切」「な」「家族」「だ」「よ」結婚しよう」

トロン「もう家族なの?」

リアン「ははっ。トロンは、手厳しいな」

さらに乱入者続出

赤い指輪を持ったチカちゃん「「聞いてくれ」「僕」「の」「パートナー」「誰も知らない」「君と」「僕だけの」「記念日」「大切にするよ」結婚しよう!」

トロン「はいダメー。おねーちゃんと結婚するのはオレ。おねーちゃんがプロポーズ受けるのもオレ。おねーちゃんが指輪受け取るのもオレだけなの」

カヨカ「え、チカちゃん?」

最後の落ち

緑の指輪を持ったあーちゃん「あ~♪」読めないので並べたカードを見せる

「僕は」「ずっと」「君を」「愛してる」

カヨカ「末永く、よろしくお願いします……」

トロン「優、勝……文句なし。満点、です」

 選ばれたのは……緑の指輪!


結局終わりはどうなったかって?

またあーちゃんが親で二周した。

六回目

トドメイ「「隣」「の」「君に」「触れる」「君」「は」「確実に存在する」「素敵」結婚しよう」素敵を入れたのは最後の良心。あーちゃんの不機嫌もなおるレベル

スズネ「「夢」「かもしれない」「魔法をかけられたんだ」「君だけ」「が」「僕」「を」「激しく」「愛して」結婚しよう」ヒュー! 表情も相まって情熱的~!

トロン「「感じるんだ」「僕が」「鬼」「いちゃん」結婚しよう」意味分かんなくてまたカヨカが爆笑した

カヨカ「「君の」「ことで頭がいっぱいさ」「僕は」「君に」「メロメロ」「愛してる」「僕の」「運命」結婚しよう」トロンが「なんでオレが殿下じゃないの!?」とやきもち焼くレベルで完璧なプロポーズ

 選ばれたのは……青い指輪!

 勝ったのはもちろん我らがカヨカちゃんでした。


あとがき

いやーやっと終わった。このゲーム、書きながらやったら終わるのに六時間かかった。大変だった。けど楽しかった。

てか地味にみんな良いカード引いてるな。

さらっと今後のネタバレとそれぞれのキャラへの気持ちをこっそり混ぜてます。たぶん読者は置いてけぼりなんだろうな。申し訳ない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

からからかけるからカケラ 山本冬生 @Fuyutoyuki

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ