ジョーク・ル・ホープ・ス

あの日 嘘みたいに大波が襲ってきた

逃げることなど不可能で

私たちはあまりに無知だった


あの日 嘘みたいに多くの人が死んだ

築いたものや築き上げた歴史は

一瞬にして呑まれ砕かれた


あの日 嘘みたいに水田が広がっていた

人の手を離れたというのに

力強い緑を発していた


あの日 嘘みたいに捻じれた線路があった

運ぶ道を示すことが出来ずに

悲鳴を上げて曲がっていた


あの日 嘘みたいに輝く向日葵が咲いていた

世界の果てのような風景の中で

世界を救うために揺れていた



嘘みたいな希望でも持って生きろと



私を救うために揺れていた


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幻滅世界ノ愛 唯ノ芥 @garbagegarden

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