1/29 インデックスを作る(めんどい)

 『書くことについて』を読み終わって一日経ちました。

 一晩眠って、大きくなった感想を一つ。


「私にもタビーが欲しい」

 これに尽きました。


 ※タビー……スティーヴン・キングの奥さん。キングにとって一番の読者らしい。屑籠にすててあった『キャリー』の下書きを読んで、「この作品には何かあるわ」と書くことを勧めたエピソードは有名。この本もタビーへの感謝やら愛がそこいらじゅうにちりばめてある。


 自分の書いたものを愉しんで読んでくれるタビー、おかしなところがあったら指摘してくれるらしいタビー、詳しく書かれていないけどキングが執筆している家を居心地よく整えたり子供たちの面倒をみていたにちがいないタビー……、まさしく理想のパートナーであることよ。そういう人に巡り合えてよかったな、キング。

 しかし大学の創作科にいたらしいタビーは、自分の創作ができなくてもよかったのかな。トレーラーハウスに居た頃はキングと一緒に雑誌に小説を送ってたようなことがさらっと書いてあったけど、その辺のことも書いてある本もあったりするんだろうか。


 ともあれ、一番の読者がそばにいるというのは心強いだろうなあ……と、家族に何を書いているのかひた隠しにしている者としてはしみじみしてしまうのでした。

 小説を書くことを反対されているとかはないのですが(それどころか「文章書くのが好きならそれで稼いでくれえ」と簡単に言ってくれる。無理じゃ)、元々の趣味が違うので読まれるのは非常に抵抗感があるのですよね……。読ませるなんてとてもとても。

 そういう性格なもので、実生活上にも創作仲間がおりません。なので、書きあがった小説を生で読んでもらって生で感想を伝えてくれる「一番の読者」を持たないわけですね。


 そんなわけで、自分の中にタビー的な一番の読者を育てるしかないのでした。



 話は変わりまして――。


 無駄に多作なせいで、いつのまにか自作が増えに増えておりました。

 その結果、中には埋もれてしまう作品も出てくる始末。

 これではいけないと、ちまちまと案内板といいますか自作索引のようなものを作り始めました。


 カクヨムには、各アカウントのプロフールのページ(ってなんて呼んだらいいんだろう?)で表示される作品一覧を並び替えたり、特定の作品をピックアップして目立たせる機能がありませんよね? 

 おかげで、イチオシの作品なのに完結させた日がかなり前になるので目立たないページに追いやられたり、どうでもいいエッセイなんかが目立つページに配置されたりしてヤキモキさせられます。正直、ロイヤルティとやらよりもこれらの機能を先に実装してほしかったもんです……。


 

 とりあえず、小説とエッセイをわけて発表順ごとにならべたり、長編と短編、掌編をわけたり、同一世界観の物語群で分けたりしたいと考えちまちま作り始めているのですが、……正直かなり手間がかかる……。コピペの繰り返しでさっそく根を上げそうになっております。

 手が空いた時にやる予定なので、いつ完成するかは未定ですが、しばらくお待ちくださいませ(ってそんな心待ちにするようなものでもありませんけどね、所詮は案内板だし)。



 ついでですので、プロフィールページでは埋もれてしまってるもののうち比較的評判の良かった作品や自分のクセなどが強く出てるなあと思われる作品のリンクなど。こんなのを書いております。



・嘘松アーニャと夢色異世界

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054883760270


 ノンフィクションの名著からタイトルをお借りした、二万字内の短編。度外れた嘘つきの女の子・アーニャが学校に来なくなる。しかし彼女は唯一の友人「私」とだけはSNSを介して連絡を寄こしていた。アーニャはなんとトラックに轢かれて異世界に転生したというのだ……というところから段々とんでもないことになってゆく、すこしふしぎなお話。

 自作ではかなり愛してくださる方の多く、私の中でも特別な一編です。



・魔法少女サマーキャンプ

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054883410187


 由緒ただしい児童文学系魔女の孫娘・モモが、周囲の反対を押し切って大好きな魔法少女番組の出演者を決めるオーディションにやってくる。そこには様々な物語からやってきた魔法を使う女の子達が集まり、寄宿舎生活を送ることで適性をみることになっていた。そこでモモは自分とは反対に魔女に憧れる一人の少女・マミと知り合って……という、日記形式のメタ系少女小説です。モモ、そしてマミというメインキャラの名前から、どういった趣向の物語か察していただければ。

 書き手が己の趣味嗜好に臆面もなく忠実になった、わりと濃い魔女っ子小説でもあります。女児向けアニメが好きな方には見て頂きたい。対象年齢を小学校高学年からアラサー・アラフォーの方に設定していますので、暴力、性、残酷描写などはありません。可愛くて楽しいよ。本当だよ。現在、カクヨムコンの朝読小説賞の方に出しています。



・胴なし馬のファラダ

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054883685096


 グリム童話の「ガチョウ番の娘」をもとにした、フェアリーテール調のファンタジーです。

 隣国への輿入れの途中で強欲な魔女と入れ替わり、魔女の家でガチョウ番をやっているお姫様が、親子関係で悩んだり、国の行く末を案じたり、自分を陥れたはずの相手と何故か楽しくガールズトークをしていたりするようなコメディでもございます。コバルト文庫が好きだった人に楽しんでもらえたら……と思っております。珍しく百合ではありませんが、王子様はあんまり活躍しません。



・マリア・ガーネットとマルガリタ・アメジスト、天国を奪い取る。

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054884961908


 異世界間交流が当たり前になった近未来の地球、赤い砂漠のなかにある閉鎖された町には境界を模した娼館があった。そこで娼婦を務めているのは魔法の力を失い人格も壊された元魔法少女ばかり。そこで働く娼婦の一人、顔はいいけど自分の欲望に忠実で狡猾で助平なマルガリタ・アメジストは、鋼鉄製の義手を持ち自分たちとは違って魔法少女たちを戦わせるバトルショーでヒールを演じるマリア・ガーネットに一方的に熱を上げていた。最初は疎ましがっていたマリア・ガーネットだが、二人のきょりは徐々に近づく。その過程で、マルガリタ・アメジストは、ありふれたスモールタウンだったこの町が悪い妖精に侵略された理由とマリア・ガーネットの秘密を知らされる……という、ヤクザ魔女っ子ファンタジー百合です。こっちの魔女っ子小説はレイティング三つ盛りですが、「魔女っ子テーマで小説を書くってのはこうやるんだ!」と半ばケンカを売る様に書いた側面もあるので、魔女っ子小説としては本格派ですよって言いきりたい。



・人豚小戚、厠生活をやめアイドルを目指す。

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054886975228


 美貌が災いして悲惨な一生を終えた母の死にざまがトラウマとなっていたリーリヤは、十歳にしてヤクザの使い走りをするなどして得た財産を蓄財に回すなど、堅実に生きるのをよしとする浮浪児だった。が、美男美女だった両親の形質を色濃く受け継ぎ、幼いながらに図抜けた美貌をもつリーリヤが賢く小さく生きようとするのを周囲のヤクザ連中が許さない。母親と同じような運命を避けるためにリーリヤが選んだのは、しばらく前に出会った奇妙な子供と、元戦闘少女の悪い医者の誘いにのって、生まれ育った町をすてるという選択だった……。

 先ごろ完結させた『ハーレムリポート フロム ゴシップガール』に登場するメジロリリイという女の子を主役にしたスピンオフ小説なのですが、かーなーりやりたい放題をやってる小説です。そのため私のクセみたいなものが一番色濃く出ています。一言で言ったら、ピカレスクなジュブナイル百合です。まじです。


 

 上記五作、アーニャとファラダ以外は十万字以上の長編になります。お暇なときにでもぜひお楽しみください。

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