1/27 『書くことについて』その他。

 昨日はpixivさんで公開している某ゲームと某女児アニメのクロスオーバーというムチャクチャな二次創作小説の方を執筆・公開しておりましたので、こちらのエッセイをお休みしておりました(連載中にどちらの作品もタイトルをばらしているのに今更伏せる意味はあるのだろうか?)。


 この二次創作、数年前に新潮社のマイブックにこまこまと書き綴っていたものの清書ということで、自分の汚い文字やら下手な文章に向き合わなくてはならないし、最低限他人様の読むに堪えうるものにしなければと場合によっては大幅に手を加えたりで、当初思っていたよりもラクでも楽しくもないという作業になりはてております。そして(オリジナル要素だらけのクロスオーバー作品という性質もあって)、フォロワーさんたち以外の方の目につかないよう基本的にひっそりこっそりやっているので、多数の読者さんから待ち焦がれているという作品でもありません(※1)(※2)。


 ※1……どちらも強火のファンが多い人気タイトルなので「こんな妙なもん書きやがって!」とか「〇〇はこんなこと言わない」とかで怒られたくなかった。私はチキンなのですよ。

 ※2……とはいうものの、基本的に私のカクヨム等で公開しているオリジナル創作だってドバーっとPVがまわったり、Twitterの宣伝がバズったりするものではない。でも、まあそれはそれとして。


 つまり、苦労は多く、それに見入った満足感が得られるわけでもない作品となりはてております。オリジナルの創作は、たくさん読まれなくても自分の頭のなかにあるものを全て出し切る快感などがありますからね。

 プロローグと第一章の実質二話しか公開していない今のうちに、こっそり非公開にしてなかったことにしようか……という悪魔のささやきに耳を傾けそうになったことも何度かありましたともさ。


 それでも書くことに決めたのは、今読んでる本である『書くことについて」(スティーヴン・キング、田村義進訳)にこんな一説が出てきた為です。以下引用。



「気分が乗らなかったり、イメージが湧かなくなったからといって、途中で投げ出すのはご法度だ。いやでも書き続けなければならない。地べたにしゃがみこんでシャベルで糞をすくっているとしか思えないようなときに、いい仕事をしているときはけっこうあるものだ。」


 

 ――そうか……。スティーヴン・キングがそういうならもう少しがんばってみようかな……という気持ちを取り戻したので、めでたく第二章を公開できる運びとなったわけです。

 とはいえ、キングがこんな悟りを得たのは『キャリー』執筆中の時だったらしいのですけれどね……(キャリー・ホワイトのことを書くのがどうしても気が乗らなかったらしい)。

 対して私が書いてるのはヘンテコな二次創作小説ですけどね……違いが大きすぎる。自分でもいい仕事をしているのかどうか自信はありませんし。


 ともあれ、一旦書き始めた小説を投げ出さずに済みました。ありがとう、キング。――いっそのこと投げ出した方がいい小説じゃないか? とか、今は考えないようにしよう。



 そんなわけで今は、『書くことについて』を読んでいます。

 Twitterで紹介されていたエッセイ経由で興味を持ち、創作意欲に火をつけるために読み始めました。まだ途中までしか読めてませんが、評判になるのもよくわかる名著ですね。読んでいるとむやみやたらと「自分も何かを書こう!」「次はここの表現に気を付けてみよう」等やる気になります。

 自分が英語圏の人間だったら、ここに書いていある文法講座も役に立ったんだろうなと思うとちょっと残念ですが。――とりあえず副詞はあまりはびこらせないようにしよう。



 ついでに、以前読んだストーリー作りに役立ちそうな本の紹介を一つ。


 三宅隆太『スクリプトドクターの脚本教室・初級編』、こちらもどこかで紹介されていたので興味をもって読んだ本です。

 ついつい「なにかしら内面に問題を抱えた名もない社会人がある理由で都会から故郷にもどり、わだかまりのあった家族や故郷の美しい自然などに触れ合っているうちになんとなく問題を解決してしまい、都会に戻る」みたいな物語をこしらえてしまう人にはすごく効きます。私はこれを読んで、「こんなこと現実ではおこらないだろう」というようなダイナミックな展開を起こすことが怖くなくなりました。出来はどうあれ。


 文章読本や小説作法的な本はあまり読んでこなかったのですが、面白そうなものがあればまたよみたいなという気持ちが芽生えつつあります。



・今日のスカーレット……

 先日怖い怖いと感想を思いっきり語ってしまったスカーレットですが、あの時の展開は視聴者を的確に釣りつつもその予想をいい意味で裏切る緊張感に満ちたストーリーを放送しています。

 師匠への気持ちを自覚した弟子は自ら身を引き弟子を辞すという「キレイ」な展開を選びつつも、今まで弟子入り先をたらいまわしにされてきた経験を語りながら「今初めて男ならよかったと思った」といったセリフを口にさせる。それが昨日の展開。

 そして、今日の展開でヒロインは「女性陶芸家」ではなく「趣味で陶芸もやってる有名陶芸家の奥さん」という社会の見る目を視聴者に知らしめる。妻の才能に気づいている夫は、妻を女性陶芸家として世に出そうとプロデューサーめいた発言をする、しかし、ただ自分の作りたい焼き物のことに頭を囚われているヒロインにとっては夫の言葉が理解できない。そこで「(弟子も言ってたけど)男ならよかった」という言葉がでてくる……という展開。


 上手いなぁ、上手いけど緩急の急ばかりだと心臓に悪いので、そろそろコメディでも挟んでピリピリした空気を和らげてほしいところではあります。ほんと、今年に入ってからピリピリしてばっかりなんですもんこのドラマ……。

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