何気ない毎日が愛おしくなるような、不器用な優しさが心に沁みいる物語。

人生なんてもちろん、いい時ばかりではないわけです。上手くやりたくても上手くいかなかったり、時に気持ちがから回ったり。・・・そんな時に隣に寄り添ってくれる人がいたならば。

これは母に捨てられ雪の中で寒さに震えていた女の子と、彼女を拾って育てた不器用で口の悪い叔父さんのほろ苦くも優しい物語です。

丁寧に描きこまれる心情に、読みながらハラハラしたり、じんときたり、ホロリとなったり。特別派手な人や出来事が描かれるわけでもないのに、ぐいぐいと物語にひきこまれてしまいます。

ごちそうではなくたって、一緒に食べるだけで美味しくって心があったかくなるようなそんな関係。そんな関係の相手とでも、時にはケンカしてしまったり、意地を張ってしまったり。それでもやっぱり隣にいるだけでほっと安心したりして。

この物語を読んだ後には、人の弱さも愛しく思えるような優しい思いに満たされていました。

何気ない毎日が愛おしくなるような、不器用な優しさが心に沁みいる物語。
心を込めて、おすすめです。