第3話
そんな訳で僕は大学公認の男子メイドとして「ご主人様候補相談室」を立ち上げる事となった。そこから僕の大学生活はがらりと変化した気がする。まずメイド服姿で講義を受けるというなんともイレギュラーな要素で受けるというのは分ってはいたが視線が僕に集まり内容に集中できない。講義の移動時も同様に視線が集まる。
「あいつが例の」とか「やばい奴」とかある意味時の人でもあり人気者でもある。こうなることはわかってはいたんだけど実際に耳に入るときつい。結果、校内で僕にとって安心できる場所は「ご主人様候補相談室」だ。まぁ・・・心の相談室を凡人である俺がメイド姿でやりとりするというヤバさ感はんぱない場所なのだが。問題はここに学生が来るか否か。結論からして「来ない」が普通であろう。来るとしたらうーんどんな人がここに訪れてくれるのだろうか。僕こと館 良二(やかた りょうじ)はクラシカルタイプのメイド服姿で予想通り未だに誰も来ない「ご主人様候補相談室」にて雑用をしていた。
・・・そんな相談室にある日・・・一人の女の子がやってきた。その子は僕を見て「君が噂のメイドちゃんか~い?」と一言。僕はどきどきした。まじで春が訪れたんだと思った。そして「私をご主人様候補にしなさ~い うふふっ。」。反射的に「ハイ!!!喜んでぇぇぇぇ!!!」。・・・。なん~てあったらいいのになぁという僕の願望でしたとさ。まぁあまりにもご都合主義っぽいからそんな事になるわけないが。今日がニーハイの日らしいからそれに関連してニーハイを履いた子が現れないかなとか考えているとコンコンとここ「ご主人様候補相談室」の扉をノックしている音が聞こえた。そう、相談者第一号の登場である。は?マジで来たのかよと思う僕。はい!どうぞと答えると「失礼するぜ。」という声が聞こえた。はじめは男子かなと思いきや明らかに女子の声なのに何故「するぜ」?。 すると白井先生がニヤリしだした。「来たか。」と待っていたかのように呟いた。扉が開き容姿が見えた。なんという事でしょう~ゴスロリ姿の美少女がここに現れました~。
う~んとこれは一体どういう事かなぁ~?というのを僕がアイコンタクトで白井先生に向けるとお前さんのご主人様候補さというテヘペロが返ってきた。僕はこれは白井先生によって用意されていたという事を察した。でもこの察しが当っていたとしら白井先生は僕に何を求めているのであろうか?それは後回しとして今は目の前に出現したゴスロリ美少女だ。「相談に来たぜ!俺がご主人様候補とやらに!」ゴスロリという姿でまさか俺とかだぜと発言するとは中々キャラステータスが濃い事は間違いない。僕はなるべく平然に「候補者様。いらしゃいませ。本日はどのようなこ相談でしょうか?」。くぅーやっぱりというか恥ずかしい。まだご主人様じゃないだけましだけど先生の作ったなんちゃってマニュアルは黒歴史でありキツい。そんな僕の様子をにやにやとした表情で白井先生が見ているのを気づき更に恥ずかしくなった。白井先生が真のご主人様候補第一号になった理由がわかってきた。恐らく単純に僕を面白がっているんだろう。そんな事を僕が思っていると「お前さんが例のメイドか~。世話になるぜ!」とゴスロリ美少女から挨拶があった。
やはり僕の噂は校内中に広まっているんだなという認識を改めて実感すると同時にふと疑問に思った。「来たか。」と「お世話になるぜ」って・・・これも先生の仕込んだのかと。
白井先生からゴスロリ美少女の紹介があった。「あ~紹介しよう!彼女(ゴスロリ美少女)はこの「ご主人様候補相談室」もメイド2号である。すると突然・・・
「なぁ・・・お前さんわしと一緒にギャルゲーやってくんね~?」
反射的に「え!?」と答える僕であった。
大学内にいる男子メイド もえはぐるま @kagenohaizinron
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。大学内にいる男子メイドの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます