4話:最高の夏休み。……のはずが? PART4

「はてさて。ワーワー言うとりますが、そろそろメインディッシュをいただくとしますか」


 楽しいお喋りの時間は、終了と言わんばかり。

 相手コートにポツンと立ち尽くす少女に、琥珀はニッコリ笑いかける。


「未仔ちゃん、心の準備は整ったカナ?」

「あわわわ……!」


 心の準備が整っていない未仔、近い未来を思い浮かべてバイブレーション。

 皮肉なものだ。スポンジボールに殺傷能力はないと言っていたのは琥珀のはずなのに、彼女が鷲掴むボールは、鉄球やボウリングの球を飛び越え、エネルギー弾にしか見えない。

 ヤムチャ的夏彦、琥珀の腕にしがみついて今生の願い。


「や、止めて琥珀! 未仔ちゃんが死んじゃう!」

「いやいやいや。いくら、うら若き乙女の未仔ちゃんとはいえ、そんな簡単に穴開くわけ――、」

「穴!? 穴開きそうなくらいの威力で投げるってこと!? 未仔ちゃん! できるだけ遠くに逃げて――――――!」


 夏彦がパニックになればなるほど、未仔へ更なる恐怖心を煽ることになっているとは露知らず。生まれたてのチワワの如く震える未仔は、もはやパニックホラーのヒロイン。

 とはいえ、結果的には成功だったのではなかろうか。


(必死すぎて、引くわー……)


 顔をグチャグチャにして、己の腕に纏わりつく夏彦ゾンビを見てしまえば、琥珀の興も削がれるというもの。


「冗談やって。さすがのウチも、未仔ちゃん相手に本気のピッチングするわけないやん」

「!? ほ、ほんとか!?」

「ほんと、ほんと」

「優しくしてくれるのか?」

「めっちゃ優しくするやん」

「痛くしない?」

「痛さなんか感じさせへんやん」

「神に誓って――、」

「しつこいねん。お前から先に処分したろか」


 悪友の機嫌、自分の命を損ねるわけにはいかない。完璧な気を付け姿勢を、夏彦は披露。

 従順な態度に納得した琥珀は、「よし」と大きく頷く。

 そして、真剣な面持ちで言うのだ。


「名付けて、ストラックアウト作戦」

「えっ?」


 いきなり作戦名を告げられ、何のこっちゃ状態の夏彦。


「――ストラックアウトって、祭りとかスポッチャにある奴?」

「そそ」


 ストラックアウト。いわば、野球版的当てといったところか。

 決められた距離から1~9までの数字が記された的目掛けてボールを投げる、至極単純なゲームのことである。


「そのゲームがどうしたんですか?」と疑問を呈するのは夏彦だけでない。未仔や草次は勿論、ドッジボールに参加する全ての者たちが耳を傾けている。

 一同の注目に臆することなく、琥珀は堂々とした声音で告げる。


「未仔ちゃんのおっぱいに当てるんや」

「はぁぁぁん!?」


 素っ頓狂な声を上げる夏彦に対し、琥珀は大真面目。

 大真面目だからこそ、自分の乳、推定DかEはあるであろう乳をガッツリ鷲掴む。


「さっきボールをキャッチしたとき確信したんや。ちょっとやそっとの衝撃なら、この乳なら耐えられるって」


 証明するかのように、ずっしりとボリューミーな果実をモニュモニュ、ムニュンムニュンと存分に揉みしだいてみせる。


「ということはやで?」

「……ということは?」

「ウチと同等、否。それ以上の大きさと柔らかさを持ってる未仔ちゃんにも同じことが言えるってことやで」

「!!! な、成程……!」


 傍から見れば、「何を納得しとんだ。このアホは」と思ってしまうだろう。

 しかし、夏彦は知っているのだ。未仔のおっぱいが、とんでもない代物であることを。

 琥珀に負けず劣らず、たゆんたゆんのぽよんぽよんであることを。


 モミモミしたときなど、ひと揉みするごとに、未仔の柔らかいスライム乳が指や手に吸い付いてきた。地球上に存在する如何なる物質も、未仔パイの極上の柔らかさには叶わないと気付かされた。


 パフパフされたときなど、顔を押し付けているにも拘わらず、息苦しいところか悠久の眠りにつきたいと思えるくらいだった。未仔の低反発おっぱいこそ、天国へ行く方法なのだと確信した。


 夏彦と琥珀エキサイティング。


「いけるぞ琥珀! その作戦で是非ともよろしくお願いします!」

「せやろせやろ! ウチの制球力コントロールと未仔ちゃんのおっぱいを信じるんや! あの子の大きさと柔らかさなら、ダンプカーが突っ込んできてもノーダメやで!」

「うんうん! 未仔ちゃんの大きさと柔らかさなら、ロケットランチャーを撃ち込まれてもへっちゃらだよ!」


「「ガハハハハハハッ!」」


 勝利の方程式(仮)を完成させたアホ2人が高笑えば、「ダメだコイツら……」という草次の声は届かない。

 そんな光景を目の当たりにした、未仔は何を思うのだろうか。



「わ、私のおっぱいに、そんな力はないよう!」



 至極、当然の叫び。真っ赤になった顔を両手で隠したいものの、それ以上に実りに実った果実へ視線が集まるのが恥ずかしい。両手でしっかりMY乳をひた隠す。


 夏彦と琥珀は、決して未仔をからかっているわけではない。

 とてつもなく真剣で、とてつもなくアホなだけ。


「未仔ちゃん、胸を隠しちゃダメだ! 怖いかもしれないけどハンズアップ! 琥珀を弓の名手、ウィリアムテルだと思って!」

「せや! ウチを信じて万歳するんや! 大丈夫、ちょっとおっぱいが揺れるくらいやから! 怖いのは最初だけやから!」

「~~~~っ! ナツ君と琥珀さんのエッチ~~~!」


 この後、琥珀がストラックアウト感覚で、未仔の5番みぎちち6番ひだりちちの二枚抜きを成功させてゲームセット。

 刹那、野郎共から「おおう……」という声が沸き上がったのは言うまでもない。






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【4巻発売中】『おっぱい揉みたい』って叫んだら、妹の友達と付き合うことになりました。~未仔ちゃん、ちょっと甘やかしすぎでは?~ 凪木エコ@かまてて&おぱもみ発売中 @nagikieco

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