第三回募集分
「スーパーロボットもいいけど、リアル系も渋くて好きだ!」 by水菜
「ちわっす、今回の担当はあたし、水菜です。今回のゲストは、軍の教官なんだってさ。早速、本人から話を聞いてみるとしようぜ。とりあえず、名前を聞いてもいいか?」
『佐藤だ。紹介してもらった通り、軍人で教官だ』
「よろしく!堅苦しいのは好きじゃないから、こんな口調で行かせてもらうけどそこは目を瞑ってくれると嬉しい」
『よろしく頼むよ。どうにも俺以外はこう言うのは適さないからな。普通、こう言うのって岩松管理長の仕事だと思うけどな……。あの人は問題発言するかもしれないからな』
「そっか、サンキューな。あたしの中では、軍人でしかも教官っていうと、もっと厳格なイメージがあったんだけど、あんたはそういうのとはちょっと違う感じがするな」
『そう言うのは、坂平と岩松管理長がやってるから、俺は残念ながらね』
「まあ、その憂い顔の理由は後で聞くとして。とりあえず、あんたが本来いる世界は今どういう状況なんだ?」
『どう言う状況かと聞かれたら、俺はあんまり情報が回ってこないから答えられないんだよ。まあ、戦争中とだけ』
「どこの世界でも争いってのは付き物なんだな。ちなみに、そっちの世界での戦争ってどんな感じなんだ?魔法の撃ち合いとか?それとも銃撃戦?あるいは、スーパーロボット同士の派手なバトルとか?」
『前まで、……っても、俺も大して知らないが、銃やら戦車やらが投入されている。そこに人型巨大兵器、まあ、ロボットが追加されたみたいな感じだな』
「今のは半分冗談だったんだけどな。……ちなみにそのロボットって、ビームとか使えたりする?」
『ないない』
「じゃあ、三機一組で合体したり、状況に応じて変形するとか」
『ないな。態々、そんな事で費用増やせるほどの余裕もない』
「……せめてロケットパンチとか――」
『ロケットパンチは出来ないが、身体能力によっては剣をぶん投げたりしてみたいなのはあるな。そんなの阿賀野くらいだと思うけど』
「ちぇっ、つまんねえの。もうちょっとロマンの詰まったSFチックな奴を期待してたんだけどな」
『俺もそうだったら、どれだけ楽かと思うよ』
「で、あんたはそのパイロットの育成なんかにも関わっている、と。ちなみに、訓練生たちってどんな人間だ?やっぱり、超能力とか第六感とか持ってたりすんのか?」
『残念ながら、俺はパイロットの育成にほぼ関わってないんだよ。まあ、暇人だ。超能力なんてものはないと思うが、リーゼに乗るのは身体能力を求められるな』
「ふぅん。でも、逆に言えば汎用性があるとも言えるのか。すげー技術力だな。訓練すれば、あたしでも動かせっかな?」
『身体能力さえあれば誰だって乗れるモンらしいからな』
「いいなぁ。いつかはあたしも操縦してみてえな。錐揉み回転しながら敵の眼前に躍り出て、度肝を抜いてやりたいぜ!『ば、馬鹿な!なんて操縦技術だ!?』なんてな」
『驚く前に攻撃されるだろうな』
「まあ、あたしならわざわざそんなもんに乗らなくても、この拳があれば充分だろうけどな。戦車をスクラップにできれば、ロボだって相手にできるだろうし?」
『そりゃあ、凄いな。ファンタジーだ。生身で戦場に行ってきて欲しい。それが、本当なら』
「嘘じゃねえよ!もしかして、あたしを女だと思って舐めてねえか?こう見えても、腕力と脚力と胆力には自信あるんだぜ?」
『実力があれば関係ない。実際に女性パイロットもいるからな。何か、水菜さんは阿賀野に似たタイプな気がするけど』
「まあ、生活力はねえけどな」
『そこは阿賀野の方が優ったか。アイツ、家事スキルもあるんだよな』
「何故だかちょっと悔しいな。ちなみに、訓練生の中にこれはっていう逸材はいるのか?」
『阿賀野と四島だな。まあ、アイツらはなんて言うか。特別なんだよ、才能が』
「他の面子は置いておくとして、その阿賀野ってやつと四島ってやつとはサシで勝負してみてえな。その時は、片腕くらい持っていかれるくらいは覚悟しとかねえと」
『まあ、俺は水菜さんの実力がわからないから何とも言えないな』
「ところで、さっきからずっと影のある顔だけど、何か悩んでんのか?」
『まあ、この先どうしようかなって』
「もしかしてよくあるあれか?若者を死地に送り込んで、実際に戦死者を出しているのが堪えているとかそういうやつか?」
『……そう言うのもあるけどな。でも、そう言うので悩んでるんだとしたら坂平の方だ。アイツは真面目だからな』
「なら答えは簡単だ!そいつらをウチに留学させればいい!一ヶ月くれれば、あたしの半分くらいを目安として身体能力を鍛えてやるよ!それなら、ロボが爆発四散しても、せいぜい骨折くらいで済むと思うぜ?これで解決だな、うん」
『そう言ってくれるのは有り難いんだけどな』
「遠慮することねえって。あたしが責任もって肉体も精神も改造してやるからさ!」
『いや、もう一ヶ月も猶予がなくて』
「そっか。ならスパルタでやれば――あれ?どうしたんだ?今はインタビューの最中で……え?ダメ?いやだって、こんなに人が困ってるのに……はい、はい……すんませんでした」
『あー、そもそもで無理だったか』
「すまん。他の世界への積極的な介入はご法度なんだってさ。さっきの提案は忘れてくれ」
『いや、まあそんな美味い話は無いのは分かってる』
「その代わり、一日でも早くそんな時代が終わる事を祈ってるぜ!」
『……そう言ってもらえるだけでも嬉しいな』
「っと、思いのほか時間が経ってやがったな。まだまだ聞きたい事はあるけど、そろそろ終わりにしねえとな。最後に何か一言もらってもいいか?」
『ああ。そろそろ俺も時間だ。ここまでありがとう、水菜さん。まあ、一言と言われたら、こう言っておこうか。見てくれた方々に幸運を』
「うし、今日はサンキューな教官殿!読者のみんなも、また次があれば会おうぜ!じゃあな!」
そこにはヒロイックさなんて微塵もない、あるのは冷たくて重たい金属の塊であるロボットと、それ以上に重い心と現実のみ。
そんな世界で生きる彼らの姿が見たいならこちらへ↓
『傲慢な戦士:偽』
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