3.柿本人麻呂
あしひきの 山鳥の尾のしだり尾の 長々し夜を 一人かも寝む
この歌の作者とされるのは、
しかしこの歌は万葉集では、作者不明とされています。
そこで、万葉集を探ってみると、この歌の本文のような長歌が残っていることに気が付きます。
今回の長歌は、万葉集の
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*長歌* 万葉集 巻8-1629
ねもころに 物を思へば 言はむすべ
(最近私はこのどうしようもない悩み事で毎晩毎晩思い悩んでおります)
(貴方と私は常に共にあって、朝も夕も共に過ごし、夜も共に寝る、そんな生活が普通でした)
あしひきの 山鳥こそば 峰向ひに 妻問ひすといへ うつせみの 人なる我れや 何すとか
一日一夜も
(山鳥ならば、山一つ隔てようとその翼でさくっと飛んで行けるでしょう……だけど私は山鳥ではなく人なのです!一体どうしろと言うのでしょうか!この遠い所に在って、毎日毎晩、思いながら嘆くしかないのです。)
ここ思へば 胸こそ痛き そこ故に 心なぐやと
(あまりにも憂鬱なので、気休めでもと、
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*短歌*
高円の 野辺の
(
今造る
(造りかけの新都で一人過す秋の夜長……寝れない、寂しい、苦しい……)
あしひきの 山辺に居りて 秋風の 日に異に吹けば 妹をしぞ思ふ 巻8-1631(大伴家持が
(野山に出かけ、秋風が吹く度に貴方を思い出す)
あしひきの 山鳥の尾の
(私も山を飛び、一目見ることだけでもできたらと思うのだが……)
# 尾と
思へども 思ひもかねつ あしひきの 山鳥の尾の長きこの夜を 巻11-2802 作者不詳
(夜毎に思い考えるが本当どうしようもない……)
そして、この歌にたどり着くのです。
あしひきの 山鳥の尾のしだり尾の 長々し夜を一人かも寝む (巻11-2802の位置にこの歌が写されている本もあるという)
(今日もこの長い夜を一人嘆きながら寝ることになるのでしょう……)
百人一首の本当の意味 クララファイ @clarify
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