春過ぎて夏来にけらし白妙（しろたえ）の　衣乾（ころもほ）すてふ天（あま）の香具山（かぐやま）

持統天皇（じとうてんのう）作のこの歌は、万葉集（まんようしゅう）の原文では

春過ぎて夏来にけらし白妙（しろたえ）の　衣乾有天（あま）の香具山（かぐやま）、となっています。

一般的な意味では、奈良にある天香久山（あまのかぐやま）と天女伝説をかけて、「天女が白い衣を乾すという天の香久山に春が過ぎて夏が来たようだ」というように解釈されていることが多いです。

しかしこの歌、実は山を人に見立てた歌かもしれません。

実際のフレーズはこうかも？

春過ぎて夏来にけらし白妙（しろたえ）の　衣乾有（ころもかさあり）天（あま）の香具山（かぐやま）

そろそろ夏かと思う暑い日、白い雲を被った天香久山（あまのかぐやま）を見て、「あら、お山も雲の衣笠で日よけかしら？」と詠まれたのかもですね。

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