第3話 飲食店経営 Bさん

 今日は飲食店の経営者、Bさん。50歳。5万〜。



 恵比寿。

 どうせ適当なホテルだろう。

 彼とは気が向いた時に連絡することになっている。



 時間ぴったりに到着。喫煙所集合。



 ボーッとしながら煙草に火をつける。ネイルが少し剥げていることに気付いた。最悪。



 

 痩せ型の身体にチェックシャツを着て現れた彼は、いつにも増してテンションが高い。



 手を繋いで歩きだす。



 壁中が水槽で埋め尽くされているお店へ行った。




 彼は、ワインを頼んだのを皮切りに、自分がいかに素晴らしいか話し出した。



 売り上げが毎月右肩上がりなこと、芸能人が自分の店に来て連絡先を交換したこと、バイトの女の子にデートに誘われていること、、、、




 とにかく饒舌に語る彼に、私は笑顔でうなずく。





 私は知っているのだ。彼に自信がないことを。

 彼は怖いのだ。




毎月支払う多額の店の家賃、人員不足、店の口コミ。



 いつでも転落し得ないことにいつも怯えていた。




 だから私の胸の中で、赤ちゃんのように丸くなって寝るのだ。




 可哀想な人。





 彼はいつも帰り際、封筒で決まった額を渡してくる。





 お金を貰っても何も感じない。

 何故だかは分からない。

 心が繊維化して、赤いハートから、タバコの煙で汚れた丸い紙屑みたいになってしまう様がいつも浮かぶ。






 考えるのが面倒くさいから、タバコを吸いながらビールを飲む。



 そのうち寝てるから、起きたら朝。



 いつもと同じ繊維化した日々。









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生きづらい世の中で煙草ふかし @gohanmgmg

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