ジェノサイドレジスタンス

私、アナシグラ

第1話

BLACK Thursday、1929年10月24日ニューヨーク株式市場で株価が大暴落したその日、世界では恐怖の暗黒の木曜日として歴史で習ってきた…


そこから154年後…

「我らジェノサイドレジスタンス。これよりBLACKThursdayを行う」…







ー幼少期編ー

2080年、全国民が驚いたニュースが放送された。それは日本化学機構による魔法が実証されたということだった。

「我々、日本化学機構は人類初の魔法の実証に成功してきました。私たちは日々開発を進め、ある細胞が魔法を生成することが出来ることを発見しました。その名も魔法生成細胞、MS細胞です。しかし、このMS細胞は全国民にある訳ではありません。MS細胞が発見されたのは18歳以下の子供の中の、さらにAB+-型の皆さんです。およそ対象者は400名ほどとされており、詳しい該当者がどの程度存在しているのか分からない状態です。ですので各学校ごとに血液検査を行い該当する生徒がいましたら我々にお伝えのほどよろしくお願いします。」

「以上速報ニュースでした。本当ですかこれ…??で、では!続いて今日のお天気、森さーん、モリモリくーん!」

ブチッ

「あ!兄ちゃん何するの!モリモリ君みたいー!!」

「ごめん、血液検査って聞いてゾッとしたから」

モリモリ君が見たいという夏樹を見て兄の松市はしばしばテレビをつける。

弟、暮葉夏樹(くれはなつき)小学4年生になってしばらくたったがまだまだわがままで、とてもわんぱく少年だ。

毎朝学校に行く前にモリモリくんのお天気コーナーを見るのが日課になっていた。そして先程から血液検査と聞いて血の気を引いているのが兄の暮葉松一(くれはまついち)小学6年生だった。松一は本当に小学生なのかと思うほどの礼儀の良さと、知性をもちあわせており偏差値は70という脅威の学力だ。そのおかげか全国の試験を総ナメにするという向かうとこ敵なし状態だった。今日はいつにも増してフチなしのメガネが頭の良さをかもし出している。

「どうした?」

夏樹があまりにも何かを言いたそうな顔をしていたため松一が聞いた。

「兄ちゃんってもし、魔法が使えたら何したいの?」

「俺か…」

松一は少し考えて言おうとした矢先…

「僕はみんなを守るヒーローになる事だよ!!かっこいいでしょー」

夏樹が戦隊ヒーローのポーズをしながらドヤっとしていた。

だが、松一は一呼吸置いて

「そうだな、

俺は夏樹を守ることかな」

???????

全く松一の言っている事が分からない夏樹の頭にはすごい数のハテナマークが浮かび上がっていた。

「僕を守るの?」

「そう、俺は夏樹を守る。そんで夏樹はみんなを守るヒーローになる。どうだかっこいいだろ?」

「かっこいいー!」

「兄ちゃんいいこと言うねー」

「ははっ、ありがとう夏樹」

2人はいつにも増してにこやかな笑みを浮かべていた。

「…はい、分かりました」

ガチャ

電話の受話器を置く音が聞こえた。

「おはよう夏樹、松一」

「「おはよう」」

そう挨拶をしたのは暮葉楓(くれはかえで)2人の母だった。

「今ね、学校から連絡があったの」

「ま、まさか…」

松一の顔色が良くなったかと思ったらまたすぐに、青ざめた顔に戻ってしまった。

「あのね今日、学校で血液検査をするみたいなの」

「あぁ、やっぱり…俺はどうしたらいいんだ…」

松一は頭を抱えブツブツと独り言を話している

「楓ちゃんケーキ検査って何?」

「もう、その呼び方やめて欲しいしというか血液検査ね、注射よ注射」

「ちゅーしゃ…」

今まで元気だった夏樹は急に黙りだし、

「ちゅーしゃやだ!絶対やだ!!」

目頭が潤い始め今にも泣きそうになっていた。

しかし楓はブツブツ言っている松一にも泣きそうな夏樹にも目もくれず

「何があっても明日は学校に行ってもらいます。」

と、キツめの一言。

2人の気分が上がり下がりする朝だった…









しかしこの血液検査が2人の運命を変える分かれ道でもあったのだ。









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