「new moon」 一般的な殺害とは違うその方法はとても酷いことらしい。光くんサイテーですし、やっちゃいましょう。さあ、次を読みますか。
「half moon」 いでででで。何度痛そうだと思ったのでしょう。男尊女卑の光くん(ちゃん?)が報復されるシーンはある意味怖い。
「full moon」 ああ! 根本的なところが変わっていない! 歪なハッピーエンドかと思いきや主人公までバッドエンドを迎えてしまいました。
死ぬ“だけ”で済んだらハッピーエンドだったでしょう。
問題を解決してもめでたしめでたしで終わらせず、読み手に考えてもらうよう皮肉を残すところが作者らしいと思いました。
物語はヘビーなDVのシーンから始まります。
その生々しい行為に読むのをやめることさえ考えたくなる、それほどリアルに、現実に即した表現が次々と登場します。
そして被害者の沙夜乃は思うのです。
「光を殺したい」と。いや殺すよりも酷いやり方で、と。
作者様はセルフリレイティングされていますが、登場するシーンはただ残酷なだけではなく、実に詳細まで見事に描写されています。
そしてこの三つのエピソード。これがとても重要な意味を持ちます。
new moonとhalf moonでベクトルが大きく異なることにお気づきでしょうか。
となるとfull moonは……。
正直この展開は全く予想ができませんでした。ここまで心が、良い意味で弄ばれることになろうとは、作者さまの技術には驚かされます。
是非あなたもこの重い扉を開いてみてください、ある程度の覚悟ができたなら。