実は血が繋がってないなんて
ひのもと
第1話(最終話)
驚きに動きを止めると、困惑したように弟が肩を叩いてきた。
ハの字に歪んだ眉毛の角度からは、哀れみや何故か困惑も窺い知れる。
どうしてと思わず口にしてしまうという有り得ない動きをして、自分に驚きを隠せないでいると、随分と時間が経過したような声で「落ち着いてほしい」と言われた。
自分は元来、落ち着かないことが無いようなタチであったので、弟のその言葉はきっと間違いなのだろう。
重い腕を持ち上げ、ゆっくりと弟の腕を払うと、思考を整理したいのでと弟に伝え、部屋を退室してもらうことにした。
兄さん、という、小さな声が聞こえたあと、ドアが開きそして、閉まる音がした。
昔から兄の言うことをよく聞いてくれる子だった。
さあ、この問題について考えよう。
その前に、このくらい部屋の明かりを、点灯、させ
※
「ああ、もうくたびれちゃって、思考能力も無くなってきているようだ。そりゃあ何十年も稼働していれば関節部がすり減る。それにもう部品がないらしく修理サポートも終わってしまっているから……そう、緊急停止用のコマンドを実行してきた……そうだな、一人っ子だった僕の面倒を見てくれた、良いロボットだったよ。お、どうも廃棄業者がきたようだから切るよ、母さん」
実は血が繋がってないなんて ひのもと @yocchama
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